Sonderausstellung im Jüdischen Museum Berlin
19. Juni 2005 - 18. September 2005
Techniker der »Endlösung«. Topf & Söhne - Die Ofenbauer von Auschwitz


以下はこの特別展示の付帯出版物 (Begleitband, Accompanying Book) 英語版裏表紙の文章を翻訳したもの


最終解決, "Final Solution", »Endlösung« へのエンジニアたち
Topf und Söhne - Auschwitz の焼却炉を開発した企業と人々

 ナチスがつくった収容所や絶滅キャンプで数百万人の人間が殺されていたそのとき,殺す側もいくつかの技術的な問題に直面していた.滞りなく,かつ安価に,殺してその死体を破棄する必要があった.つまり,燃料をできるだけ節約し,後に残る痕跡を最小限にしなければならなかった.そのシステム構築を,ナチ親衛隊 SS は,軍にではなく,一般市民/民間の専門家に頼んだのである.絶滅政策に実際に荷担し,その最適解を開発することになるというようなことに疑念やためらいをいだくという人達でなかったため,そこに任せて誤たなかった.Erfurt を本拠とする会社,Topf und Söhne はこの絶滅作戦の決定的な役割を担った企業体であり,19 世紀に Erfurt で創業,Auschwitz の焼却炉を作るに至った.この全き普通の会社の歴史,それがこの特別展示の主題である.

 Topf und Söhne の,ナチ親衛隊 SS との疑いようもないこの共同作業について理解するのは一筋縄のことではない.この会社の所有者にも,そこに雇われて参加している従業員にも,ともに,狂信的なナチスであるとか,急進的な反ユダヤ主義者であるとかという形跡はない.また,利益で誘導されたからであるとか,個人的に優遇されたからであるというのも彼らの行動を説明するのに充分でない.彼らは組織/社会の単なる歯車であったのでもなく,机上の殺人者というだけでもなく,さらにはまた,命令されたり,強制されたりしてそういう行働をとったのでもなかった.自分達がいま開発中の技術課題について,その目的を充分正確に把握していたのである.深刻な結果を引き起こすことなく,ナチ親衛隊 SS との共同作業を取り止めるとか,あるいは取引関係を縮小することもできなかったわけではなかったのにそうはしなかった.

 ナチ親衛隊 SS との共同作業を続けていこうという Topf und Söhne の意向は,絶滅作戦や大量殺戮が国家の意志であり,そうすることがドイツのためになり,ドイツの利益に奉仕できると期待し,関連技術課題への挑戦がエンジニアの功名心をかき立てたということのみに動機づけられているのである.この大量殺戮については分かりにくい点が多いが,共同社会への共通の敵に向かうにあたって,人間性という感覚が欠落していたことをその理由にあげることで理解が進むであろう.
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