Maxim 箴言
Changes can be welcomed indiscriminately only by those who esteem nothing, whose attachments are fleeting and who are strangers to love and affection. 変化が無差別に歓迎されることもあるが,そんなことをするのは大切に思う物事が何もない人間だけである.
Innovation entails certain loss and possible gain, therefore, the onus of proof, to show that the proposed change may be expected to be on the whole beneficial, rests with the would-be innovator. 変化による利益と損失については,後者 (の損失) が確実に生じるものであるのに対して,前者 (の利益) はその可能性があるにすぎない.それゆえ,変えようとする人には変えるのは良いことだということを証明する責任がある.
Michael Oakeshott, British philosopher of history (1901-1990). Rationalism in Politics, Methuen & Co., Ltd., 1962, pp. 170 & 172.
注:エドマンド・バーク (18 世紀,イギリス) は近代の保守主義政治思想の始祖と目される人物であり,オークショットは
20 世紀におけるその嫡流と位置づけられる.オークショットは現代におけるイギリス保守主義を代表する人物で,この文はまさに保守主義者のエッセンスである.
2001 年 7 月 16 日付け中日新聞のコラム「時代を読む」で,ロンドン大学教授,ロナルド・ドーアは小泉内閣の構造改革政策を評するに,ニューヨーク・タイムズ紙に出たポール・クルーグマンの「少し冒険的ではなかろうか.こういう結果をもたらすと確信する根拠がなく,ただこういう結果があるかもしれないという理由で抜本的な処置を取るとは.」という言を引用し,「改革論はむしろおまじない・念仏のようなものだ」とからかっている.オークショットと同じ考え方はアメリカにも存在しており,極端な保守主義というわけではない.
これを,ほとんどそのまま,あたかも自説のように述べている論考 を 2007 年 5 月 3 日に見た.
學而不思則罔 思而不學則殆 学びて思はざれば則ち罔し,思ひて学ばざれば則ち殆ふし 『論語』「為政第二 十五」
Learning without thinking makes you blind, thinking without learning makes you dogmatic.
有機械者必有機事 有機事者必有機心 機心存於胸中 則純白不備 純白不備 則神生不定 神生不定者 道之所不載也 吾非不知 羞而不為也
機械あれば必ず機事有り.機事あれば必ず機心有り.機心胸中に存すれば即ち純白備わらず.純白備わらざれば則ち神生定まらず.神生定まらざる者は道の載せるざる所なり.吾知らざるに非ず,恥じて為さざるなり.『荘子』「天地篇第十二」
機械があるために我々にとって余暇はどうしても必要なものになり,
機械がその余暇を満たすために援助してくれるが,それと同時にまた,
機械は余暇を内からも外からも脅かしている
Pierre-Maxime Schuhl, Machinisme et Philosophie, (1969), Presses Universitaires de France
There's an old saying: When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth. --- Sherlock Holmes |
『唐詩選』五言絶句,張九齢 "照鏡見白髪"
宿昔青雲志 (宿昔青雲の志)
蹉柁白髪年 (蹉柁たり白髪の年)
誰知明鏡裏 (誰か知る明鏡の裏)
形影自相憐 (形影おのずから相い憐れむ)
シュッセシヨウト思ウテイタニ
ドウカスル間ニトシバカリヨル
ヒトリカガミニウチヨリミレバ
皺ノヨッタヲアハレムバカリ
井伏鱒二『厄除け詩集』
いくとせか心にかけし青雲をつひにしらがの影もはづかし
千種有功『和漢草』(わかくさ)
あまがける こころ は いづく しらかみ の みだるる すがた われと あひみる
會津八一『鹿鳴集』
反歌:惜しむべく悲しむべきは世の中に過ぎて又こぬ月日なりけり『古歌』