《推薦企業の決定手順について》

各人が希望する企業と推薦状を出す企業についての調整は以下のようなルールに則って行う.第一希望のみに下記のルールが適用される.

 A グループ:求人数より志望者が多い企業
 B グループ:現在推薦状を出して人を送り出し,結論待ちとなっている企業
 C グループ:求人数より志望者が少ない企業

を定期的に提示する.志望者数や志望者名は公開しない.それを見て志望先を変更するかどうかは各自の判断で.

・ A グループに属する企業から A グループに属する別の企業に志望を変更することはできない.
・ A グループに属する企業から C グループに属する企業にのみ志望を変更することができる.
・ 初回の締切時刻以降は A グループに属する企業に新たに志望することはできない (求人票未着の企業についてはこの限りでない).もともとの志望者のみそこに残ることができる.
新たな締切日が来ても,先の調査票は,それが更新されていないかぎり,継続して有効である.締切日に向けて毎回送る必要はない.
・ 週 1 回もしくは 2 回,期限を設定して,この変更,つまり "希望調査票の更新" を締め切る.第一希望のみに上記のルールが適用される.
・ この締切の時点で求人数と学科内の希望者とが一致した件は B グループ所属となる.ここに入ったら該当者は直ちに,遅滞なく応募手続きを進めよ.ここで考えを変えて引き返すことはできない.

 時間の経過とともに企業の採用活動も進み,予定人数を採用できた段階で,その年の採用活動は終わる.その報告は大学には来ない.時期を逸すると推薦依頼企業が推薦依頼企業でなくなってしまう.資産は時間経過とともに失われる.資産のひとつを借りているという認識を持て.一社一人が原則であるから,応募手続きを進めるこの時点ですでに他の人とは異なる別々の道を歩みはじめたことになる.大人の社会に否応なく踏み込むよう強制される.

・ 5 月になっても A グループに留まる企業については,就職担当教官が同席して,その企業を B グループとするべく調整をはかる.
・ 調整の必要な企業が複数あるときには,できるかぎり同一日に調整する.玉突きが起こらないよう,各人できるだけ平等に移動できるよう.
・ その調整により A グループに属する企業に志望を留めることができなくなった人は C グループに属する企業に志望を変更するか,自由応募,進学などを新たに選択する.それにそって "希望調査票" を更新する.

こうした手順をふむうえでの材料は各人が送信した進路希望調査票の最新版である.

・ 上記の手順で処理できないときには,基本的に 「先願主義」 あるいは First Come, First Served Policy をとる.先願者優遇とする.もちろん上記の手順にも 「先願主義」 の考え方が含まれている.

 変更するなら次回の変更締切時刻までに新たに進路希望調査票フォームに入力して送信されたい.大学推薦希望なら,再び上記の手順で進めて行く.

 一回目の大学推薦応募で不首尾となった場合にも,進路希望調査票フォームで新たな志望先を申告する.一敗地にまみれたとも言えるし,単に相性が悪かったとも言える.しかし,的確か否かは別として,すでに不首尾となった理由や周辺状況が明らかになっているので,二回目の大学推薦は一回目とは異なり,本人の志望が B グループとなるというだけで自動的に進められるわけではない.次の推薦先を決めるにあたって就職担当が意見を述べることがある.意見が無く,ルーチンどおり進むのなら,それはそれで幸いである.




 就職活動の前に,経済活動の原則,我が国のおかれている状況,各種業界についての知識などを吸収しておくことが望まれる.

 参考になる Web site として  http://jmm.cogen.co.jp/jmmarchive/  を挙げておく.

 書物としては

 「『すべての自動車人へ』自動車の存亡と環境・エネルギー危機をめぐって」舘内 端,たてうち ただし,双葉社,ISBN4-575-29028-9, ¥1700E 1999 年 11 月

 「悪女と紳士の経済学」日経ビジネス人文庫,日本経済新聞社,森永卓郎,ISBN4-532-19046-0, ¥648E,2001 年 3 月,オリジナルは 1994 年 9 月,講談社

などが軽い読み物ながら,得るところがある.



 就職担当の部屋のドアをノックもせず,ヅカヅカと勝手に奥まで入ってくる輩がいる.米国ならピストルで撃たれていよう.かの国では無断侵入者を射殺しても正当防衛と認定される.かつて旭丘高校の生徒がアメリカ滞在中に他人の敷地に侵入して射殺された事件が思い起こされよう.ここが日本なので幸い撃たれずに済んだだけであり,本来,人を訪ねるには,その人の住居を訪ねる際と同じ手順が要求される.部屋には,成績や求人情報など,プライヴァシにかかわる書類や,研究成果で未公表のものが置いてある.むしろ,そういう仕事がその部屋でなされているのが常態である.誰にでも入ってもらうわけにはいかない.先に片付け,どこかへしまってから対応しなければならない場合が多い.ドアをノックし,返事を得,名前や用件をドアを開けて伝え,「お入りください」 という声を受けて初めて入室するものである.それ以前に一歩たりと部屋の中に足を踏み入れてはならない.たいていの用件ははドアをはさんだ立ち話でこと足りる.刑事もの映画などを見ると,アメリカの平刑事は部長刑事の部屋の,柱のところに手をかけて上司と話している.

 就職担当の部屋を訪ねてきての第一声が「話しがある」という,そういう人が何人もいる.「話しがある」というのは他人に喧嘩を売るときに使う言葉である.「話しがある」に続くのは「ちょっと顔を貸せ」でなければならない.そう指摘されても,すぐには納得がいかないようだし,他の語彙に替えることなどさらにできない.まともな大人の言葉をこれまで話さず,そういうことに意を用いて来なかったツケがそこに出ている.どういう言葉使いなら通用するものなのか,両親に相談してみてはいかがか.企業の採用試験ではそうしたことも審査対象になっていよう.もっとも,企業においてもまともな日本語を話せる人は数少なくなっている.


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