1996 年前期モデル."Happy Face" になる直前のモデル.エンジン形式:ADY.
インジェクションシステム: "ジーモス", シーケンシャル噴射 (気筒別燃料噴射式). オートマチックトランスミッション:"01M",
ファジー制御.アンテナはルーフアンテナでなく,後窓ガラスにある.サイドプロテクターモール・バンパー・サイドステップモールは塗装なし.助手席エアバックが大きく,グローブボックスが無い.
車輌後方から見たデザインが秀逸である.端正さでは近年これを越えるものがない.また,ハンドリングにも見るべきものがある.カーヴや旋回路でねらったパス上をそのとおりに走れる.この車のボンネットを開けると,エンジンがやけに運転席に近い位置に片寄って置かれているという印象を受けるだろう.そのハンドリング性能を実現するために,エンジンをずれた位置に置いているに違いない.カーレンタルで他の車種をあてがわれて運転すると,舵のあいまいさを知らされ,しばしば辟易する."Brake Later, Turn Deeper, Drive
Harder"
エンジン形式:ADY, 82.5×92.8, 1984 cm3, 直列 4-シリンダ,SOHC, 吸・排気各一弁で,弁はフロントグリル側ではなく,共にキャビン側についているという,カウンタフロータイプ.燃焼室は写真のようなバスタブ型である.1997 年式から AGG となった.クロスフロー,吸・排気各二弁,ペントルーフ型燃焼室が一世を風靡している時代に,なんとも古典的なものではあるが,このエンジンの部分改良型が次々と出ていていまだ現役である.Robert
Bentley の Service Manual * を見ると,1996 年式の段階で米国仕様ではクロスフローの "ABA"
である.日本仕様では Golf IV/Bora, 2-liter 2000 年モデルのエンジンとして APK
となり,ここでクロスフロー化された.2003 年モデルではさらにバランサシャフトが付き,エンジン形式:AZJ
となった.アイドリング時の静粛さが要求されたのであろう.2002 年 4 月に出た Passat Wagon 2.0 には,これの系列である
AZM なるエンジンが搭載されている.クロスフローになって,カウンタフロータイプより最大出力が下ったりしているところがまた面白い.New
Beetle の AQY もこのエンジン系列に属する. |
ATF
車齢 10 年を超えて,オートマティックトランスミッションからフルードが漏れだした.ミッションの形式は "01M" である.ひとつ前のミッションは "096" と言い,それには汎用の Dexron を入れればよいのだが,"01M" は特別で,Robert Bentley のマニュアルを見ると Special Volkswagen Synthetic ATF, P/N G 052 162 * でなければならないし,Dexron を混ぜてもいけないとなっている.そんな特別なものの手持ちは無いし,レヴェルゲージもないらしい.フルードは少しづつ減っているようで,朝,出る前に見ると地面になにがしか溜まっている日が有ったり無かったりである.車はそれなりに動くから,騙し騙しという感じで三ヶ月近くも乗っていたら,ある日,一速から二速へ上がるときに大きく滑って,2,500 rpm まで煽ったようになってからしか繋がらなくなった.それでも,少し暖まって,ゆっくりアクセルを踏めばなんとかそれも消えるという状況である.この段階でディーラへ持って行ったら,0.7 リットル入ったという.ATF Sump のガスケットからだけではなく,入力軸のオイルシールからも漏れているとのこと.修理はおおごとだから,フルードを規定まで足してもらったまま帰ってきた.涼しくなって来て,漏れて付着したものが固まってきたのであろうか,その前後に漏れは自然治癒した.規格では,フルードの量は Dry Fill 5.3リットル (5.5 qt.), Refill 3.0リットル (3.2 qt.) となっている.Refill というのは ATF Sump を外したのちに入れる量.0.7 リットル減らしたというのは,割合としてはかなりの量になる.補充後は快調である.
* フルード G 052 162 は "VW TL 52162" で規格が定められれており,トランスミッション製造で知られた ZF の "ZF Order Specification AFB 838" に沿うものでもある.フルード自体は "Esso LT 71141" であるとのことである.アメリカでは Pennzoil Multi-Vehicle ATF #159920 / Quaker State Multi-Vehicle ATF #160023 や Pentosin ATF1 #1036-900 が純正と互換であるとされている.このフルードは欧州でも広く使われており,車輛メーカによってそれぞれ異なった純正品番が付与され,ZF: Lifeguardfluid5 => Audi: G 052162A1 => BMW: 8322 9407807 => Peugeot/Citroën: Z 000169756 => Jaguar: JLM 20238 => Mercedes Benz: A 0019892203 => Porsche: 999.917.547.00 のようになっているが,互換性に問題はないと聞く.
ZF は ZF Friedrichshafen AG のことで,Ferdinand von Zeppelin 所縁の会社であるが,その人の名前からではなく,設立時の名称 Zahnradfabrik GmbH (歯車屋) から来た会社名である.もっとも,"01M" は ZF 製ではなく,VW 内製であると聞いている.なお,米国では Transmission の短縮表現は Mission ではなく Tranny である.
● 運転席側窓ガラス開閉リフタ,ウィンドウレギュレータ,プラスティックの小さな部品が割れて,窓ガラスの開閉ができなくなる.家人は運転席側窓ガラスが降りたままで,10 月に中央道恵那山トンネルを通りました. Front R: #1H0 837 462A, Front L: #1H0 837 461A, Rear R: #1H4 839 462A, Rear L: #1H4 839 461A.結局,この四箇所すべて経験することになりました.Golf IV には対策品が出ていると聞きます. |
● 後輪のベアリング,ゴロゴロと音が出る. ● ブローバイガスを戻すゴムのホース,溶けて穴が開く #037 103 49 3AB ●
錠前,キーシリンダのリンケッジ,破損,折れてしまう,鍵がかけられなくなる. |
部品番号の最初の三桁 |
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バッテリ
純正品は #1H0 915 105 G, 20 時間率容量:60 Ah, 寸法:175H×245W×175D,下部取付形状 Hold-Down: "B14", 端子配置:L (0),"DIN
56073" 相当品.バッテリカヴァ付きなら,これよりサイズの大きいものは装着できない.寿命はほぼ満足できる範囲にあった.最初のは
5 年,4.4 万 km で,エンジンはかかるがマァもう破棄してもというレヴェル,二番目のものは 4 年,3.5 万 km
でまだしばらくは大丈夫というレヴェルであった.ものは Exide.純正品の定価は 2 万円台後半と高価であるからサードパーティ製を探せども,完全に互換性のあるバッテリは見つからない.Hold-Down
は "B14" でなくても "B4" でもよい."B3/B13"
はノッチ高さ 10.5, "B4/B14" は 19.0 である.60 Ah, 175H×245W×175D, Hold-Down: "B3/B13" なら 1 万円以下のものもあり,取付けに工夫をこらしてガタの無いようにしさえすればなんとかいける.DIN 56077, 56220, Bosch S-6H などがそれにあたる.
"B3/B13" ではあるが "B4/B14" にも対応できる脱着式アダプタ付属で売られているものとして,Brite_Star 56220, Hoppecke 56077, ヤナセ/Bosch Euro_Black SB060 がある.Euro_Black SB060 は 2008 年になって 大量に放出されており,Discontinued となる気配.純正品は Varta, #000 915 105 AC だが,これも実は "B3/B13" であって,"B4/B14" アダプタつき,Golf IV 系との共通化がはかられている.VW も 1998 年あたりを境に "B4" から "B3" へ移行したようである.
バッテリカヴァに対応しなくてよいのなら,DIN 56318, Bosch S-6D, AC_Delco
27-63H ,175H×278W×175D, Hold-Down: "B4/B14" や
DIN 56073, 56111, Bosch S-6C,190H×245W×175D, Hold-Down: "B4/B14" (S-6C は対応アダプタつき) などへ選択肢は拡がる.どちらも幅もしくは高さが大きめなのでカヴァはうまく被らない.2008 年になって,Varta 56111 (561 011 054), 190H×247W×175D, Hold-Down: "B14" 放出品を見かけるようになった.
外形寸法,下部取付形状優先で選択すると,20 時間率容量が満たされないということもある.DIN 54519, 54596
などがその例で,20 時間率容量:45 Ah になってしまう.AC_Delco 27-54H が 54 Ah
なので唯一許容範囲内であろうか.つまり,高価だというだけでなく,選択そのものが難しい.VW 指定のバッテリーは,寸法の割には容量が大きいというものばかりである.Indigo_Star
などは逆に容量の割に寸法が大きいので,選択肢に入らない.
選択しようとしても,Cross Reference Table, 互換表が完備されていなくて,適当どころでないいいかげんな情報に惑わせられる.互換というのは同一容量寸法形状を意味しない.それを克服するには
"Battery Manufacyures and Brand Names List", http://www.uuhome.de/william.darden/batbrand.htm
あたりまで行って調べねばならない.バッテリの品番は通常 DIN 規格の五桁の数字で表されているが,自社の勝手な品番だけを表示しているものも少なくない.そのうえこの五桁の数字で,互いに近いものが無数というほどにあるのである.さらには,最近
DIN 規格から EPS 規格に移行しているという.その前には EP 規格というものもあり,そちらは廃止の方向らしい.
カルシウム合金電極のものは予兆無く逝くといわれているが,幸いなことにまだ経験したことはない.
CD チェンジャ まずは,車輌に最初から着いている,VW Vento の純正カセットデッキ/ヘッドユニット: ETY-440M/VO-440M, パナソニック製 同じような年式の Golf III にはこの機種はついていないようである. |
デッキ/ヘッドユニット:ETY-440M/VO-440M
につながる純正 CD チェンジャ: パナソニック製 CX-CW2250A, Model: J4A AE1 A01, パナソニック製,8-pin, Mash. 94 年モデルからのフォルクスワーゲン,アウディの VO-440M デッキ装着車専用とうたわれている.マガジンは CA-MP60EX. これは CA-MP65 と同一品であると思われる. |
VO-440M デッキ装着車専用とか,いろいろと指示がなされているが,下に書くように,パナソニック製,8-pin,
Mash ならどれでもつながるもよう. デッキ/ヘッドユニット VO-440M に CD チェンジャーをつなぐには専用のケーブルが必要.右の写真がそれ.このケーブル単体の品番は不明.CX-CW2250A のセットに付いてくる.ピンク色の 10-pin 角形ソケットが,このあとに出てくる 「端子配列について 」 のところの,端子の最上段にはまり,8-pin DIN と赤白の PIN プラグは CD チェンジャーにはまる. |
取り付けキット単独なら, |
すぐに出た故障
車齢 7 年目にして遅まきながら CD チェンジャを付けた."新品,箱は開封した"
という CX-CW2250A セットの出物が見つかり,それを購入した.No Claim / No Return というおきまりの条件つきである.Vento
には AM/FM チューナカセット (オーディオヘッドユニット) からトランクルームまでのケーブルが既配線されていないので,専用ケーブルが附属でついている
CD チェンジャセットを見つける必要があったのである.取扱説明書はもちろんついていた.現物をディーラに渡して配線を依頼したら,作業時間が
2 時間となっていて,品物価格以上に結構高くついた.取付完了後しばらくは楽しめたが,およそ三ヶ月で以下のようなことになってしまった.
一度 1 枚目, 2 枚目, 3 枚目, . . . . と CD を探しに行ったり読みに行ったりしたあと,マガジンを取り出すときの定位置
Default Position に戻ろうとするが,完全に戻り切らず,ガタガタと振動し続ける,というもの.このままだとマガジンを取り出せない.マガジンを入れずに電源を供給しても,探しに行った後,定位置に戻ろうとして完全に戻り切らず,やはりガタガタと振動し続ける.本体をドスンと叩くか,マガジン横の隙間から見えるトレーラーを細い棒などで押し込んでやると定位置に戻る.
もちろん,一旦ちゃんとトレーラを定位置に戻し,マガジンを取り出し,その後 CD 入りマガジンをはめておいてから電源を入れると,1
枚目だけは正しく読む.途中で電源を切ってまた電源を入れても,続きが鳴る.しかし,1 の最後まで読ませ,2 へ移るときまたこの故障が起こる.1,
2, 3, 4, 5, 6 と,1 枚目から 6 枚目まで続けてならと期待したがだめであった.
入手法がそれなりなので,メーカの保証はない.所持品と同じ機種の CX-CW2250A, Used Item が Auction
に出たので飛び付いてそれを購入したが,全く同じ症状がすでに出ていた.最初電源を繋いだときからガタガタと振動し続けるという状態であり,マガジンの中には
CD 6 枚が入ったままになっていた.きっと,完全に定位置まで戻り切らないため,前のユーザは取り出せなかったのだと思われる.仕方なくそのときは,比較的入手困難なケーブルを購入できたと考えてそれで諦めた.暇ができたら修理に挑戦する予定.
再度 CX-CW2250A, Used Item が Auction に出るのを待ってそれを購入し,ようやく復活させることができた.しかしまた,いつまで持つことやら.ということで,さらに
CX-CY8250A という Opel 純正とうたわれたものを入手,それを予備として待機させてある.これも問題なくヘッドユニット:VO-440M
につながる.ということで CX-CW2250A が VO-440M 専用というのは怪しいわけである.型番は本体単独の記号ではなく,接続ケーブルを含むということなら納得できる.
こうしたことを調べるにあたっては, 実車では落ち着いてやれず,部屋の中,机上でやる必要がある.そのために,VW Vento の純正カセットデッキ/ヘッドユニット:ETY-440M/VO-440M, パナソニック製 ももう一台調達した.これについては
Auction 出品者のご好意で送料のみにしてもらった.それにしても,デッキ,ケーブル,CD チェンジャの三点セットを車輌用と机上用に二組所持するはめになった.
「今日の必ずトクする一言 -- TODAY'S REMARK -- 」 山本智矢, http://www3.coara.or.jp/~tomoyaz/higa0112.html#011226 という Web site を見ると,カーオーディオ,特に CD チェンジャについていろいろと書いてあり,業界事情がよくわかった.
デッキ/ヘッドユニットと CD チェンジャの互換性
VW 純正カセットデッキ ETY-430M パナソニック製 (Volkswagen Sound, Model: 16 051 18 CN, CQ-LY7050A. VO-430M とも言うらしい)
にパナソニック製の汎用 CD チェンジャ,CX-DP600D をつないで正常に動作することを確認した.マガジン/カートリッジは CA-MP600D. デッキ ETY-430M の後面から 8-pin DIN 雌コネクタと左右 Audio 信号用の赤白
RCA 雌コネクタが出ている.CD チェンジャ,CX-DP600D 側には13-pin DIN 雌コネクタがついている.CX-DP600D に附属のケーブルは,一端は 8-pin DIN 雄コネクタ + 赤白 RCA 雄コネクタ + ヒューズ付き単線の常時接続電源線,他端は13-pin
DIN 雄コネクタとなっており,これでつなぐだけで済んだ.Panasonic 製デッキとPanasonic 製 CD チェンジャの組み合わせなら動くということのようである.
Audi Sound, ETY-630M, Model: 89 051 18 CN, CQ-LY3050A (AU-630M とも言うらしい) という機種があり,また,Audi Sound, AU-635M, J8A
AA1 A02, CQ-LW2250A というのもある.Opel 純正,ETY-650M, Model: C31 00 010, CQ-LY8350A というのもある.それぞれ Volkswagen Sound, ETY-430M と同等品であると思われる.ボタンの配置など,デザインがほとんど違わない.また,これらの機種はすべて
CD チェンジャ CX-CW2550A, Model: J4A AE1 A01 につながると CX-CW2550A のマニュアルに出ている.
ETY-430M for VW |
ETY-650M for Opel |
端子配列について デッキ/ヘッドユニットの端子は三段になっており,これらはすべて雄 Male 端子である.下段は電源関連 " Power Connector",中段はスピーカ関連 "Speaker Connector" であり,この二段については,欧州車ではほぼ共通の端子配列になっている.車からラジオが盗まれるという国はあちこちにあるが,盗んだものを別の車に着けることができるのも,ひとえにここが共通だから. この中段+下段につながる雌 Female 端子コネクタは通常一体になっている.右端,写真のものは Mercedes Benz 用の延長コードであり,これは VW/Audi/Opel, Clarion/Panasonic/Sony などの,たいていのものにそのままはまる. |
Clarion/Adddzest
に較べて,Panasonic の端子配列についての情報はほとんどない.Clarion のデッキ/ヘッドユニットには電源,スピーカ,オーディオ入力などの端子配列を記載した紙が張り付けられているが,Panasonic
のものには何も表示されていない. 右の写真は Clarion の FM/AM/ Tape デッキ VO-550 後面のコネクタで,下から上へ順に,電源供給/スピーカ/CD チェンジャ. 端子の最上段は "Ext Control Connector" と呼ばれ,ここのものは 10 ピンだが,最近は 20 ピンのものが出てきた.右の写真は Clarion の FM/AM/ Tape デッキ VO-550 後面のコネクタで,下から上へ順に,電源供給/スピーカ/CD チェンジャー. "パナソニックカーエレクトロニクス" という会社に問い合わせたが,端子配列,信号については公開いたしておりませんとの対応であった.不確かながら類推したのが以下の "Panasonic CD Changer, 13-pin DIN コネクタの端子配列" である.同じ丸型 13-pin コネクタでありながら Clarion/Addzest の C-Bus, Kenwood の丸型 13-pin DIN コネクタとは信号の種類がかなり異なる. 販売店,取付け業者等は,こうした情報についてはメーカーに守秘義務を課せられているらしい.8-pin DIN コネクタの端子配列を,ピンに出ている信号から推測した.これらの情報の内容については一切保証しないし,もちろん保障/補償はない."At your own risk" で. |
1: データ <- 「 チェンジャが現在の状況をヘッドユニットに知らせる 」 2: クロック 3: セレクト 4: ストローブ <- 「"NC" の場合もある 」 5: リモートコントロール <- 「 ヘッドユニットがチェンジャに命令を出す 」 6: 電源 (ACC) <- 「 (B+) がないのでこの線が電源となる 」 7: AD <- 「これの意味はわからない."NC" の場合が多い 」 8: アース/グランド |
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コネクタのピン配置 下の図はケーブルの端,Male 側を見たもの. 6○ ○7 ○ 1○ 8 ○3 4○ ○5 ○ 2 |
ホイルハブボルト:M12×1.5, 首下: 23.3 mm, 着座が球面のタイプ.
ホイール:BBS (RA) これについては別のページで.
6J×14, ET: +45 mm, 4 Holes, PCD: 100 mm, 1 ピース,カラー:シルバー
装着タイヤサイズ:185/60 R14, 82H
The hub-centric rather than lug-centric wheels. BBS is one wheel manufacturer which produces hub-centric wheels.
タイミングベルト: #037 109 119 C,車寿命の半分か六割くらいのところで換えるのがよいであろう.いずれにせよ一回は換えなければならないのであるから.
水温センサー: #6U0 919 501 B,これが狂うと,アイドリングが安定しないか,アイドリングが持続しない.
点火プラグ
VW Vento の純正点火プラグは NGK: BUR6ET, #101000 036 AA.(M14×1.25/Hex 対辺: 20.8)
これと同等で,同じく VW Vento 純正の Bosch 製は Bosch: W7LTCR.両者共に接地側電極が 3 本付いたセミ沿面放電形.
Triple-Tipped, 接地側電極が 3 本,セミ沿面放電形のプラグでは,中心電極が減り,減ってくると,上からみると○ではなく "おむすび" 形となり,スパークギャップもそれなりに拡がる.それゆえ特別に耐久性が高いというわけではない.
ハイテンションコード (点火プラグケーブル) との接触部は,点火プラグ側のターミナルナットをはずして,M3 のねじだけにしなければならない.ところが,現在入手可能な点火プラグの大半はこのターミナルナットが固くかしめられているか,芯と一体になっており,ターミナルナットが取り外せるものは数少ないという状況である. |
点火プラグの熱価については NGK: 5 = Denso: 16 = Bosch: 8 NGK: 6 = Denso: 20 = Bosch: 7 NGK: 7 = Denso: 22 = Bosch: 6 |
Engine Lublicant Specification: ・VW 500.00, 501.01, 502.00 |
これまでに入れた潤滑油: ・Elf Sporti TX, 15W-40 ・Castrol RX Super, 15W-40 ・Castrol TXT Softec, 15W-40 ・Castrol XF-08, 10W-40 ・Castrol Protection by Magnetic, 10W-40 ・BP Viora Super-V, 10W-40 ・Valvoline Super Top Runner, 5W-40 ・Esso Ultraflo, 10W-40 平均すると 8,000 km ごとに交換していることになる. それゆえ 10,000 km 以上無交換で走ることもあった. |
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1996 年ころ,米国の VW ユーザのあいだでエンジンオイル交換について一大論争が Newsgroup を介してなされた.VW は出荷時に,初期なじみが進行しやすい特殊オイルを入れているので,新車からの走行 5,000 マイルくらいまで,エンジンオイルを交換するのはよくない,という論調が多く流れ,それに賛成する人と反対する人とに分かれたのである.賛成派は交換しなかったがゆえにその後の調子,フィーリングが良いと主張した.数年後に
VW Wolfsburg の研究者に会ったとき,それを思いだして尋ねてみた.答えは,出荷時のエンジンオイルは通常の VW 仕様,指定交換時期での交換を勧めたまでのこと,というものであった.
運転者が受けるエンジンの調子の良し悪し,フィーリングといったものは,始動時の外気温と,始動後一分間アイドリングするかどうか,極低速で二分間走行するかどうか,ということで大きく変わる.空燃比制御関係の記憶がしばらく続くからであろう.氷点近くの外気温で走り始めて
10 分経ったころは,今日のエンジンはいかにも静かでなめらかだと感じられるはずである.これはただ単にエンジンオイルの粘度が普段よりすこし高いうえに,空燃比がやや濃い側に振られていることに由来するにすぎず,あと
30 分も走ればそうした感じは失せる.粘度表示 (粘度指数の意ではない) が同じエンジンオイルの銘柄差はこうした始動時の条件差以上の認識を運転者に与えることはまれである.その差は
3,000 km 以上走ってかすかに差を感じることがあるかどうかという程度である.
もちろん,エンジンオイルを交換しなくてもよいわけではない.かつてそういう問題で裁判所から鑑定依頼を受けたことがある.エンジン不調で何度もカムシャフトやロッカーアームが交換されて,ついにユーザがディーラを訴えた.潤滑油通路に閉塞が見られた.M
形エンジンといえばお分かりになる方もあろう.それにしてもこの事件では十万 km を走った間にユーザはエンジンオイルを交換するという認識を持ったことがないということであったし,二年ごとの車検時の記録もあいまいであった.運転は国家試験を経た業務上行為なので,運転者には業務知識が求められる.指定交換時期に意味がないわけではない.指定交換時期はそれなりの意味を持っている.
2000 年に Volkswagen/Audi は "VW 503.00" なる Long-Drain Oil 規格を新たに定め,新車にその規格のオイルを充填していると言っている.粘度表示 "0W-30" の100% 化学合成油であり,減った分だけオイルを補充すれば 15,000 km 走行まで性能が保証されるとのこと.実際には "Castrol SLX Longlife II, 0W-30" がそれらしい.それまでは "15W-40" など,暖機終了後 (100o C で規定) 粘度 "40" の鉱物油/半合成油が指定されていたことからの大幅な変更である.廃油の量を減らすのがその主旨のようであるが,思想が変わったといっていいほどである.さらに2004 年には 30,000 km 無交換性能保証のものも発表されているという.
もとのドイツ語での説明には "Durch die Wartungsintervallverlängerung sind Ölwechselintervalle bei Ottomotoren (VW 503.00) bis 30.000 km und bei Dieselmotoren (VW 506.00/506.01) bis 50.000 km bzw. max. zwei Jahre möglich." とある.我国で 15,000 km / 1 年 と言っているのは実は本来 30,000 km / 2 年 のことであり,二倍もの日本版鯖読であるとわかる.また,ディーゼルでなら VW 506.00/506.01 規格油で 50,000 km / 2 年 という.
これら Long-Drain 規格のエンジンオイルは上位/下位互換ではない場合も多いので,2000 年モデル以前のものには基本的には使ってはいけないことに留意すべきである."For automobiles starting approx. model year 2000 with long oil change interval. Not suitable for automobiles built beforehand." とある.Vento への指定は VW 500.00, 501.01, 502.00 である.VW 502/505 は Non Long-Drain 規格ながら,極めて汎用性の高い規格であって,現行の大半のエンジンに適用可という主流規格である.それでも,VW 502 は 505 と互換であるが,VW 505 は 502 の代替えにはならない.VW 503/504 は Long-Drain 規格であって,VW 502/505 とは明確に異なるようであり,それらの上位互換となると書かれた文書を見いだし得ない.ただし,Liqui-Moly, Top Tec 4200, 5W-30 なる銘柄では,認証は VW 504/507 ながら,自社推奨として VW 500/501/502/503/504/505 と表示されている.VW 504/507 は VW 503/506 の一世代次のロングライフ 3 規格である.
Volkswagen/Audi だけではなく,Mercedes-Benz, BMW, Opel, Porsche も指定交換時期延長という路線で動いている.VW 503.00/Mercedes-Benz 229.3, VW 506.00/VW 506.01/Mercedes-Benz 229.5 などをあわせて 「新世代の低燃費ロングライフ 2 規格 」 と呼ぶようである.BMW Longlife 01, Opel GM-LL A025/B025 規格は後者の最新規格に近いとのこと.オットーエンジンで 30,000 km なのに,ディーゼルで 50,000 km なのは,ガソリンによるオットーエンジンでの潤滑油希釈は無視し得ないものであることを意味している.
上述 ADY の後継 APK や AQY エンジンでは空燃比制御などでいろいろ問題を出したようであるが,同時期に指定エンジンオイル規格を大きく変えたこともそのトラブルに輪をかけたように思われる.
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