三角停止表示板,救急箱,脱出用ハンマー | ||
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Warning Triangle, First-Aid Kit, Emergency Hammer, Wheel Chock |
三角停止表示板,Warning Triangle
道路交通法では,高速道路や自動車専用道路等で車を停止せざるを得ない場合,停止していることを表示しなければならない,となっている(第 75 条の 2「故障等の場合の措置」)これに違反した場合「故障車両表示義務違反」で交通反則告知書いわゆる青切符が切られ,一点減点とともに 6,000 円の反則金が科せられる.常時携行義務は無く,高速道路や自動車専用道路上で停止したときにのみ要請される.パトロールカーが近づいてきたので 助けてもらえるヤレ嬉しや と思ったが豈 (アニ) 図らんや違反に問われた,という話は無数にある.普段要るものではないが,要るときには要る.
ここで "停止表示器材" と表現されているものは,世間で "三角停止表示板" と呼ばれているそれである.我国で携帯が義務づけられている発炎筒 Emergency Flare は停止表示器材ではなく,赤い三角反射板か紫の回転灯のみがそれに該当するとの定めらしい.我国で出廻っている三角停止表示板は "交F04-2", "交F06-1" などの表示がある国家公安委員会認定品であり,三角形の一辺は 430 mm である.JIS D5713 に規定されている.
"三角停止表示板" は,英語で Warning Triangle,ドイツ語で Warndreieck,フランス語で Triangle de danger, triangle de sécurité, triangle de pré-signalisation,イタリア語で Triangolo di segnalazione などの名称を持つ. 欧州では EU 規格 Euro-Norm 27R03 に定められていて,ドイツのものには Warndreieck "EURO, ECE-27R03" などとある.車輌に常時搭載しておくことが義務づけられていて,違反すると 16 € の罰金を取られる.フランスではごく最近,2008 年 7 月以降,路上で立ち往生したときのために赤い三角停止表示板と黄色い安全ベスト Gilet de sécurité を車内に常備することが 義務付けられた.現在常時搭載が義務づけられている国は,ドイツ,オーストリア,フランス,ベルギー,イタリア,ポーランド,ポルトガル,英国などであり,数はかなり増えた. |
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右上の写真に出した三角停止表示板にはしっかりした鉄の足が付いており,その質量は 1.6 kg,ケースの幅は 130 mm ある.近年これの軽量化と折り畳まれた姿勢の小型化が "Euro-Mini","Euro-Micro" と二段階で進んでおり,長さには変わりがないものの,ケースの幅は 45 mm,厚みは 30 mm,質量は 0.48 kg と,幅・質量で 1/3 のものが出現している.その詳細を下に示す.この分野において,我国では初期から現在まで変化はほとんど見られず,軽量化などについて大幅な遅れをとっている.
・ Warndreieck Original,以下表示寸法はケースの外寸. ・ Warndreieck "Euro-Mini" ・ Warndreieck "Euro-Micro" |
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北欧の Volvo や Saab 車に付属していたものを見ると,ケースの色は異なるものの,共に Talmu, Finland とある.三角停止表示板そのものは "EURO, ECE-27R03" に準拠しており,上図のような昆虫の足を思わせる四本脚の付いたものであるが,三角の水平辺金属部が重くて,全体の 質量は 1.35 kg ある.ケースの寸法は 480x90x28.軽量化・スペースファクタに意を用いてない."Euro-Mini / Euro-Micro"への流れでは内側の三角は可撓性のあるビニール製であるのに反して,これはそこが固いプラスティックでできている.Talmu は自動車用照明部品メーカで,現在は Hella の傘下にある.ケースに品番が表示されていないが,おそらく #3518874-7 である.かつて我国に輸入された Volvo 車の多くに付属していたものであり,ベルクロテープ Velcro Tape にて固定される.三角表示板ケース側が Velcro Tape フック状起毛になっているので,この表示板を他車に流用するとき,ケースの固定法を考えなくて済む.トランクマット上に置くだけで全く移動せず,取り上げるときの力も小さいのが良い.
現在我国に輸入されている Volvo 車にはやや小さい赤いケースに入ったものがトランク lid 裏側に止められている.質量は 0.6 kg くらい.#30673259, Varningstriangel,Hella, Finland とスイス CEA 製との二種あるが全く同じデザインである.別途買うと ¥8,110 もする."EURO, ECE-27R03" 準拠品の流通は米国ではほとんどないが,不思議なことにこの三角停止表示板を米国の Volvo ディーラで購入することができる.そこでの値段は $15 前後.
A5 Jetta では,トランク lid を上げると,荷室内側,リアバンパ裏側にあたるところに横長の凹みがある.その凹みには幅 130 mm の旧来タイプ三角停止表示板をケース入りで収納することができるが,固定バンドは短かすぎて役立たず,別途何らかの固定手段が必要である.もとから備わっている固定バンドを使ってピッタリと合うのは幅 65 mm の "Euro-Mini" であり,凹み内部にある爪にも沿い,固定バンドの長さも適当である.
EU 規格 ECE-27R03 準拠のものを我国で購うと高価で,¥3,000 はするけれども,欧州での販売価格は 12 € 前後である.eBay.de あたりの Auction Site での呈示なら 1 € のものが多く見つかる.もっとも送料がその国内への場合で 6 € くらいかかる.いずれにせよ,こうした安全上必要であるが,購入するかどうかご自由にという品物に高い利を掛けて売ろうとするのは阿漕な仕打ちである.広く普及するよう薄利で販売するべきものであろう.
1998 年頃の Audi A4 や VW B5 Passat,また VW Bora など,あるいは Mercedes-Benz の多くでは,我国に輸入された車輌についても,トランクリッド裏に半開き三角形のまま固定されており,まずトランクを開けておけば,三角停止表示板が後続車から見えるようになっていた (VW/Audi #8D5 860 251, #4B5 860 251 C, #8E5 860 285).現今の車輌にはこの方式は継続されていない.停車位置から 100 m 手前,高速道路では 200 m 手前くらいに置かねばならなくなったためであろうか.
米国では Federal Motor Vehicle Safety Standard, FMVSS No. 125 という規格があり,U.S. Department of Transportation, DOT で 40 mph 風速試験などを含めた仕様を定めて認証を出している.風で倒れないことを第一義としているためか,脚の部分が太い鉄の角棒でできていて,軽量化とはほど遠いものである.右の写真がそれであり,水平枠の両端に足が付いている.さらに,ケースに三個入りというのが多く売られている.三個だからとはいえ,質量は 6 kg 近くある.BMW は我国へは EU 仕様の三角停止表示板と救急箱を付けて輸出しているのに,米国向けで外されている.米国ディーラ BMW in US のアクセサリ としても米国仕様 DOT Approved Warning Triangle, # 82 11 1 466 578 しか売られていない.米国仕様は車輌の指定格納場所,凹みには嵌まらない.それゆえ米国では EU 仕様三角停止表示板は,特に BMW 純正は very rare item,日本から持ち帰る人までいる. |
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救急箱 First-Aid Kit
VW B5 Passat やら A4 Bora やらのトランク左側に蓋があって,その蓋に十字マークが付いている.蓋を開けるのは,その奥に CD Changer を取り付けるためなのであるが,CD Changer 用の棚のひとつ上とか,蓋の裏とかに同程度の大きさのものが嵌め込めるようになっている.蓋おもてにある十字マークから,そこが救急箱の格納場所らしいと推測していたが,右の写真にある BMW 純正品の Verbandkasten を調達したらそれがぴたりと嵌まった. ドイツでは上述の三角停止表示板 Warndreieck とともに早くから常時携行が義務化されている.写真のものもそうだが,当方にある古い方は Made in West-Germany とある.明らかに 1991 年以前から存在したものであり,同じデザインで現在も続いている.箱に有効期限はないが,中味には期限があって,五年毎には交換すべきことになっている.最近は,かなりの車メーカが箱を省いてビニール袋とした救急袋 Verbandtasche に変えているようで,VW A5 Jetta の蓋裏スペースには写真の救急箱は収まらない.軽量化の波はここにも.BMW 救急箱の品番は #1 859 303,Made in Germany となってからは #52 20 1 859 303.内容物の規格は DIN 13 164. |
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緊急脱出用ハンマー,Emergency Hammer
2008 年夏,我国のあちこちで集中豪雨による住宅への床上・床下浸水に見舞われ,その際,多くの車輌も水没した.大人の膝上くらいまで水がくると,たいていの乗用車は自走できなくなるだけでなく,窓が開いていない限り,中にいる人は外に出られなくなる.窓を開けようにも,この段階では電気系が働かなくなっているので,電動窓は開かない.運転者の手が届く範囲に緊急脱出用に窓ガラスを割るためのハンマーを用意しておくことが必須である. 右の写真は緊急脱出用ハンマーの定番中の定番 "LifeHammer Classic", "LifeHammer Original" である."LifeHammer" と,スペースを空けずに一語となっているのがその商品名らしい.It is a combination of Belgian design, German steel blade and hammer tip and Dutch construction. とある.我国で販売されているものもオランダ製である.Designer が誰であるのか知りたくて調べているが,いまだ果たせない.ドイツの技術検査協会,Technischer Überwachungsverein, TüV の GS: Geprüfte Sicherheit なる安全認証マークに輝いている.長さ: 175 mm,質量: 100 g である.フロントグラスを割るためのものではなく,側面の窓ガラスを割るためのものであるという.合わせガラスならこれでも割れないということなのだろう.それなら,どうやって出ればよいのか. |
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輪留め,Wheel Chock 要るときには要るといっても,要るときには近くにある石ころとか丸太とかでも充分その機能を果たすという,しかし,車載工具のひとつとして無いではなかったものひとつに "輪留め" が挙げられる.近年,車載工具はどんどん貧弱になり,タイアがパンクしたときにスペアと交換するための手段だけが辛うじて残っているにすぎない.そのジャッキアップに必須の "輪留め" も,そこら辺のものをあてがっておけば済むことから,標準品で車輌に付属していることは稀になった.英語で Wheel Chock,ドイツ語で Radkeil ないし Radkeile,もしくは Vorlegeklotz,フランス語で Cale という. 右に示した "輪留め",上はかつての日産フェアレディ,一台に二枚のセットでジャッキの隣に置かれていたアルミ製のもの.特別に軽量なのが特徴であり,知る人ぞ知る名品である.手に取ってみればいかに軽いかを実感できる.もう二度と生産されることはないであろう.下は BMW の少し前の車輌に付いていた鉄板製である.折り畳み機構や拡げたときの佇まいに工学的センスを感じさせる.仏・独のメーカは,PSA, MB などを含め,およそこの形式で揃っているようであるが,折りたたみ式でないものも無いではない.VW のは #7L0 860321A であり,ここ に出ている.MB のそれは #A 203 583 00 75. |
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To be continued !
Still not fixed.
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