世の中,同じように考える人はいるもので,すでに右図のようにした例がある.マァ側面の窓枠と正面ヴァンパ左右をなんとか処置すれば見られるようになる.いずれそのうちに当方も. Jetta Comfortline 相当, 2.0 FSI + Tiptronic である.Trendline というグレードなら窓枠のクロームはないらしい.車体のデザインから言えば Škoda Octavia の方がまだましなように思う.いずれにせよ選択としては極めて保守的かつ妥協的.しかし,移動には必要充分と判断した. |
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B7 Passat が当然候補となったが,エンジンが縦置き Longitudinal でなく,横置き Transverse に戻ってしまい,そのうえ全幅が 1820 mm にもなったので,候補からはずした.もっとも,重く長いエンジンの縦置きはいただけない.Passat や Jetta を含め,他のモデルにおいても TFSI + DSG については "偉大なる試行" のひとつであることに変わりなく,TSI + DSG に至って,"偉大なる試行" であるものの,ようやく工学としてバランスのとれたものになる.バランスという点から言えば,FSI + DSG, TFSI + 6-Gang Tiptronic AT の方がまだしも整合している.FSI も "偉大なる試行" のひとつであり,突如として黒煙を吐いたり,燃料ポンプが昇天したりする可能性が無くはないから,三年間のメーカ保証だけで満足することなく,プラス二年の延長保証に加入しておかずばなるまい.いまのところ加速はスムーズで,テールパイプ内側がすすで汚れるということはない.小さいことながら,このテールパイプ開口部が水平出しでなく,下出しであることも選択理由のひとつである.新機軸には信頼性・耐久性で不安があるし,従来と変わらないものばかりではあまりにも古典的であって納得できずで,工業製品の購入にも決断が要り,なんとも体力を削がれる.
* Passat 系列 B Platform の世代番号については "B5.5", "B6", "B7" でかなりの混乱がある.以下に詳しい.
http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Volkswagen_platforms,
http://en.wikipedia.org/wiki/Volkswagen_B_platform
VW/Audi Group の "偉大なる試行" については別途書くが,意味の大筋は,縦置き短小エンジンを ADR から始めて,W8 を経て W12 まで,十年の単位で開発しておきながら,縦置きは僅かに Audi のみに残しているものの,短小エンジンはあっさりと引っ込めていることなどから見て,FSI, TFSI, TSI, DSG をもあえて "試行" と呼ぶのである.TDI だけは明らかに試行段階を脱して一般性を獲得した."偉大なる" というのは,常に可能性を追求していることへの半ば揶揄,半ば褒め言葉である.縦置き短小エンジンについては変速機を前方に追いやる方式で復活・進化させるとの噂もある.フロントヘヴィへの反省があるのだろう.
現実に Euro が流通しだしたのは 2002 年であるが,そのころから見て Euro の対円為替相場は 2007 年あけ現在 1.6 倍である.日本という国では,為替相場変動を輸入商品価格に逐次反映させることが比較的少ないとはいえ,1.6 倍は通貨や商品の先物予約だけでは吸収し切れない率である.この時期せいぜい 2 % の値上げなどという報道に接して,買い替え時期がいまであって幸いであった,と思っていたところ,新聞の一面左下部に新潮社が出している "Engine" という雑誌,2007 年 3 月号の広告があり,1 月 26 日発売,その惹句に「知っていますか?ニッポンはいま,クルマが安い,ということを」 とある.誰も思うことは同じで,欧州に行ってそこの物価高に辟易した人達が企画したに違いない.現地価格はここに.我が国と近いものが売られているニュージーランドの価格は ここ に.JPY/NZD は 2007 年初めで 85 くらいか.2011 年末にユーロが ¥100 を割ったので,状況は正反対になった.
使い始めて日が浅い段階では,書くことはまだ多くない.これまで 4-段 オートマティック変速機付きの車にばかり乗っていたので,6-段を経験してみると,なぜそこまで変速しなければならないのかと感じる.燃費低減には貢献しているのであろうが,エンジンを引っ張るというか,車速が上がるとともにエンジン回転も上がっていくというのが醍醐味なのに.高速道路はともかくも,市内走行では当面 S モードだけを使うことになろう.
納車された時点で走行直進性にいささかの疑義があり,Bora の操縦安定性で一年間悩んだ経緯に懲りて,ステアリングとホイールアライメントをごく初期段階で調整してもらった.Bora でもそうであったが,特に後輪 Toe-in の綿密な調整効果覿面,顕著な改善がもたらされた.VAG1813 は侮れない装置である.この車の新たな懸架機構では,市街地アスファルト道路の穴やパッチには一対一にキックバックがくるので,凸凹道では速度を落とさねばならないけれども,一旦高速道路に乗れば,この懸架は結構しなやかな猫足に変わる.初代 Audi A4 / B5 Passat の足に近い味わいを高速道路でなら取り戻せる.
エンジンの圧縮比 11.5 への向上でかなりの燃費改善が現実のものになっていることを実際に走行してみて諒解した.中部国際空港まで人を送って行ったが,始動からエンジンを切るまでの平均燃費表示で 15.7 km/liter なる記録であった.また,エアコンを使わない冬期ではあるが,一般道路を含め高速道路を多用し,最高速度も 120 km/h くらいまで上げて片道 250 km 走って,平均燃費でやはり 15.7 km/liter を記録した.その後,エアコン使用の梅雨期,東名三好,東名用賀を経由して,首都高速神田橋で降りて都内へというコース,片道 350 km を走って,平均燃費 17.1 km/liter を得た.高速道路を走る限り,ほとんどロックアップ状態で走行するからトルクコンヴァータの損失は考慮外となる.6-速での総減速比が 2.81* と小さく,エンジン回転速度が低いのも燃費低減に寄与している.* 6-段 Tiptronic AT の VI-速ギア比 0.685 に最終減速比 4.103 を乗じた値
Vento, Bora, Jetta と来た中で初めての電動パワーステアリングであるが,他メーカの電動パワーステアリングが必ずしも成功していないのに反して,これは現在電動パワーステアリングの最高レヴェルにあると言われている.
1K BLX, 1K21P3, Jetta 2.0, Comfortline, Tiptronic 全長×全幅×全高: 4565×1785×1470 mm ボア x ストローク: 82.5 mm x 92.8 mm なる寸法は Vento の ADY, Bora の AZJ と同じである.燃料をシリンダ内に直接噴射することで,蒸発潜熱分だけ圧縮終わり温度が下がる分を,圧縮比の増加に充て,ノッキング抑制効果とノッキング加速効果とを帳消しにすることで,11.5 という高い圧縮比を可能にした.燃料のオクタン価として 95 RON が指定されている.ただし,給油孔近くには 96 RON と微妙な表示がある.FSI は先には 98 RON 以上の "Super Plus" を要求していた.Audi A3, A4, TT Coupé なども,このエンジン系列を採用していたが,下記のようにいまやほとんど見られない.右のエンジンは Audi のそれ. |
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2007 年 10 月にこのエンジンは我国で販売される VW 車から姿を消し,後継は 1.4-liter TSI となった.上述のように,2.0 FSI + 6-段 Tiptronic AT は保守的な選択ではあるが,実にマイルドな感触が得られる組み合わせであって,中途半端な中継車種というわけでは決して無い,佳作である.とは言うものの,車齢五年,二回目の車検目前で大きなトラブルに見舞われた.詳細は下の 変速機 に.
一方,この EA827/EA113 系,ボア x ストローク: 82.5 mm x 92.8 mm に過給し,TFSI としたものは現在 最高出力: 200 kW @6,000 rpm,最大トルク: 350 Nm @2,500-5,000 rpm の CLDA まで進化し,Audi A3 TTS, VW Golf R, Sciricco に搭載されている.下に記した Ford Europe "2.0-liter EcoBoost SCTi" と較べると,スポーツ系と汎用エンジンとの差を見て取れる.
FSI は Fuel Stratified Injection を縮めた呼称で, ドイツ語では geschichtete Benzindirekteinspritzung である.直接噴射成層給気の意であるけれども,2000 年に始まったときと違い,現在の VW/Audi FSI では成層給気ではなく,2005 年に BLR から変わった BVY で均一量論給気になっていて,名称と実態とが離れている.
FSI は高回転が苦手のように見えるが必ずしもそうではない.Audi の 4.2-liter V8, BNS では 7,800 rpm まで廻る.平均ピストン速度が 24 m/s に達している.
Ford Focus, 2011 年モデル として米国市場へ投入予定のエンジンは 2-liter 無過給直接噴射,116 kW, 197 Nm と発表されている.これは 2009 年末,Ford Europe から出た "2.0-liter EcoBoost SCTi", 149 kW/203 PS @5,500 rpm, 300 Nm @1,750-4,500 rpm の無過給版である.
VW/Audi でほぼ "Discontinued" となったこれと同等エンジンが 7 年近く遅れてまた出て来たということに驚かされる.もっとも,圧縮比が 12.0:1,Ti-VCT: Twin-Independent Variable Cam Timing,吸気弁だけでなく,排気弁についても可変弁開閉時期として吸入空気量の最適化を図っているのが新しいところ.最近我国で販売されるようになった Volvo S40/V50 にはまだこのエンジンは載っていないが,2010 年中にはとも漏れ聞く. |
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点火プラグ,Spark Plug 純正品:NGK: PZFR5N-11TG, #101 905 620, 白金チップ接合接地電極なるダブルプラチナ.下記の Bora 用 NGK: PZFR5D-11 は中心接地電極一本であるのに対し,この Jetta 用ではそれに加えて軸対象に二本の側方接地電極が追加されている.直噴エンジンでの混合気不均一に対処すると同時にプラグの燻りを焼き切るための配慮がなされている. 右の写真,下側に全体が出ているのが Bora で使われている NGK: PZFR5D-11, #101 000 062 AB であり,上に先端電極周りだけ見えるのが PZFR5N-11TG, #101 905 620 である.前者は一本 ¥2,730,後者は ¥2,940 とのこと. 適合やエンジンコードを知るには ドイツ NGK のページ が便利である. |
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車齢 7 年,累積走行 43,400 km,三回目の車検で交換を薦められ,それに応じた.品番が示すごとく,このプラグの初期電極間 Gap は 1.1 mm のところ,外されたものの Gap は 1.2 mm と誤差の範囲内にあった.公称耐用 100,000 km,推奨交換 60,000 km と言うのは伊達ではない.累積走行 80,000 km くらいまで交換する必要はないと判断された.過剰整備を薦められるのはありがたくない.2013 年末,車齢七年,三回目の車検時の価格は @¥2,835.
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タイア,Tire Michelin, Energy E3A, 205/55 R16, 91V, 重量: ? kg 内側は広く,外側は狭いブロックの 「左右非対称」.回転方向の指定はない.左に示すトレッドパターンを見ると,典型的なファミリーユースである.ただ,縦溝は二本くっきりと穿たれていて,ハイドロプレーニング対策がなされていると知られる. |
ホイール,Wheel VW 純正,"Atlanta", #1K0 601 025 BM ホイール サイズ: 6.5J-16, ホール数: 5, PCD: 112, ET: 50 センターハブ径: φ57 質量: 10.0 kg |
ホイールハブボルト:M14×1.5, 首下: 27 mm, 着座が φ26 の球面タイプ.#000 071 597 |
Michelin, Energy E3A
ショルダに出た皺 (しわ) |
この Michelin, Energy E3A,Discontinued もさもありなん.3 年 2 箇月,僅か 20,000 km 走行の段階で,トレッドの溝はまだ 4.5 mm はあって,サイドウォールやトレッドにはまだ問題は無いのに,左の写真のように,ショルダには明確な皺 (しわ) が見られるようになった.それも外側のショルダだけに.Click で Image 拡大. 気持ちが悪いので交換しようとして,その銘柄に悩んだ末,前輪二本を Michelin, Primacy HP とした.Primacy HP は Pilot Primacy の廃止に伴うその上級版と位置づけられているもの.Pilot Primacy を他の車種で何度も使って,好印象を得ていたのも選択理由のひとつ.ただし,Pilot という名称は取り外されている.それに,スペイン製. |
Primacy HP |
Michelin, Energy E3A,上の写真のような,外側のショルダに皺 (しわ) が出るのは,2008 年以前の Tread Plies で "1 Polyester, 3 Steel, 1 Polyamide" のものに特徴的であり,2008 年以降の "2 Steel" のものではそこまでには至らない.車齢 3 年 2 箇月,20,000 km から車齢 7 年,43,400 km まで,新車時スペアタイアであった 2005 年 Tread Plies "3 Steel" のものを後輪片側に着けていたが,それにはやはり皺が出て,後輪他方に着けたあった 2008 年 "2 Steel" のものには皺は出なかった.
Michelin,
Energy Saver |
前輪二本,後輪二本をそれぞれ別々の銘柄にするというやりかたに味をしめた.そう決めれば,タイア選びの選択肢は一挙に増える.まず後輪を Michelin, Energy Saver とした.Energy Saver + ではないドイツ製のものが入手できた.上述の理由から Energy E3A は避けなければならないし,特性としてはそれに近いものという意味である.次いで,大事な前輪であるが,前輪には燃料節約型のものを使いたくない.横剛性を第一義にし,入手の都合や価格なども勘案して,Continental, Premium Contact 2 とした.ただし,ポルトガル製.左右の写真がそれらである.見較べただけでも,おおまかなタイア特性が推測できよう.結構,満足の行く結果が得られた.前回の組み合わせの遥か上.なにしろ真円度が高い.空気圧も指定値下限 210 kPa で剛性充分. |
Continental, |
オイルパン
左前輪を石に乗り上げ,落ちるときにその石がオイルパンに当たって,穴が開いたらしい.知らずに 20 分ばかり走り, 駐車場に停めて昼食をとっているあいだにエンジンオイルはすっかり流れ出ていた.もちろん近くのディーラまで積載移動となった.普段の掛り付けとは違うとはいえ,10 km 以内にディーラが存在したのは幸いであった.思えば昭和 40 年前後に上高地あたりへ行くときには,"缶入りの瀝青ピッチ,米国陸軍が使っているという布ガムテープ,エンジンオイル" をセットで必ず携行していたものである.釜トンネルの登り坂・蒲鉾路・カーヴとともに安房峠を越えた長野県側道路,さらには乗鞍高原の酷さは現在では想像できないかもしれないが,当時はオイルパンに穴が開く可能性を見込んで出かけ,そうなっても自力で山から降りる準備をしていた.40 年後の今は,何の準備も無く,単に牽引を依頼するのみ.
エンジンオイルは 5 liter 計上されていて,単価は ¥2,200 + 税.PN: J0V JD3 F05
ワイパーブレード,Wiper Blade
通称,エアロワイパーなるものである.純正品は,右:#5K2 955 426 (600 mm/24"),左:#5K2 955 425 (480 mm/19") であり,これまでサービスプラスという保証プログラムで一年ごとに交換されてきた.このほど単価を知った.それぞれ ¥2,520.Bosch からもエアロツインワイパーなる名称で相当品 3397118980, A980S がでているけれども,安くはない.eBay UK でなら確実に右ハンドル用で,もっと安価なものが容易に見つかる.左右二本合わせての本体価格 £16.99,送料 £2.99 というような値付けである.スターリングポンドが ¥123 となっていて,どうして ¥400 足らずの送料で日本まで配送され得るのか,心配になるほどである.実際に送られて来た Packet には Postage Paied UK 5 とあった.Heyner/Alca というドイツの製品で,純正品とは端の形状が異なり,半円形.高速での風切音の大小についてはまだ分からないが,拭き取りについては純正品よりこちらの方が優れている.また,ゴムだけ交換できるようにもなる.マルエヌ工業のアクティヴソード用ゴムなどでも合わせられる.2013 年末,スターリングポンドは ¥173 と,かつてから 40% も上昇しているので,この状況では英国から輸入するメリットはない.
バッテリ,Battery
新車時から装着されていたのは #1J0 915 105 AF.Varta による OEM 品と思われる.これは七年間,累積走行 43,400 km まで問題なく使えた.車齢 5 年,二回目の車検時にも交換を勧められることはなかった.寸法:278W*175D*190H, 端子配置:L (0),20 時間率容量:72 Ah,下部取付形状は "B13" らしい.長辺底部で固定されている.現在の純正指定は #000 915 105 DG であり,2013年末の価格は ¥35,280 で二年前と変わっていない.四年前の価格は ¥31,800.12 V, 72 Ah, 380-A DIN, 680-CCA EN/SAE.
等価品に関しては,B5 Passat のページにあるバッテリの項と同じ内容であるから詳しくはそちらを.高さがやや低い,寸法:278W*175D*175H のものも装着できそうであるが,調べてはいない.
車齢 7 年,三回目の車検で交換した.試しに最安値の Atlas にしてみた.その二年後の 2015 年末,車齢 9 年,累積走行 60,400 km,四回目の車検時にディーラからの交換要請はなかった.
変速機,Transmission
Aisin AW 製 TF60SN, 09G Type HTP, 6-Speed Automatic w/Tiptonic.
このアイシン AW 製,6-段 AT は VW/Audi には Audi A3 に最初に導入され,その後,主力の Golf V をはじめ,Polo にまで搭載された.機能そのものに問題があるわけではないが,先の Vento や Passat についていた "01M",あるいは現在の DSG などに較べると,やはり欧州車という感じは薄い. 残念なことに,この機種ではバルブボディに不具合が多発し,主に二速への変速ショックに悩まされると報告されている.2005 年以降では,この変速ショックについては,対策がなされていると聞いていた.しかし,VW/Audi では業を煮やしたか,はたまた DSG への移行期と重なったためか,2006 年以降,Polo などへの僅かな短期間の採用を除いて,これの採用は停止されている.AT の多段化の始まりであったと共に,AT というものの限界を確認させることにもなった変速機である.
車齢 5 年,二回目の車検を前にして,Tiptonic で Shift-down が極めて渋いという症状に気付いた.肝心なときにエンジンブレーキを効かせることができないのである.車齢 3 年以降の 2 年延長保証でこれの修理はカヴァされた.それゆえ我国での部品価格は不明.交換されたものは, Shift Mechanism, Automatic Gear Linkage, Tiptronic Switch, Betätig: などである.部品だけで 10 万円コースであると思われる.あと 6 年間,車齢 11年までなんとか平穏に過ぎてもらいたい.いまや日本製であるから故障が少ないというわけはない.比較的低賃金の国に連携傘下を持たないうえ,実車耐久試験のための道路を欠き,人員も割かれていないが故と指摘する人もいる.Seat, Skoda, Dacia などでなら長距離/長時間走行試験が安価にできるのにとを言っているのだろうか. |
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六年間平穏にと願っていたのに,Shift Mechanism 交換の十日後,出先から帰ろうとエンジンをかけようとしたがかからない.シフトレヴァは P の位置にあるのに,ランプは R の位置で点灯している.シフトレヴァを引けども全く動かない.結局,牽引されて入院.内部のリンケージが外れていたのが原因とのこと.アセンブリで新品に交換したものであってもこうなるのか.まずは,この部位について二年間の保証があるとのことである.
ATF: G 055 025 A2, €17.93/liter これは Mobil Super ATF 3309 と同一品らしく,Titan ATF 4400 とも互換.ATF の交換には 7 liter 必要とのことであるが今回の修理では x2 となっていた.取り外しを二回やっているので,全量の半分くらい交換されたことになるであろうか.この ATF は 01M に使われている Esso LT71141 とは別物のようで,そちらの品番は G 052 162 A2. |
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冷却液,Coolant
2012 年現在,VW/Audi が指定しているクーラントは TL 052 774 G0 規格の G 012A8GM1 で,"G12++" と呼ばれているものである.色は紫.原液は 1.5-liter 入りで,通常二本用意する.Extended Life Coolant Concentrate となっている.軟水で薄めて供する.1:1 に薄めて,50% 濃度としたときの氷結温度 -38o C,常圧沸点 109o C となっている.冷却液量は 5.5 liter くらいであると思われるので,ディーラではこの濃度で充填しているのではなかろうか.60% 濃度以上では氷結温度が逆に上がるので,そういう使い方はしないようにとの指示がある.LLC ではなく "XLC" or "ELC" であり,"For Life, No Requirement for Replacement" と謳われている.Organic Acid Technology (OAT) Coolant であるのかどうか詳しいことは分からない.VW/Audi は 1998 年から OAT を使っているけれども,GM の Dex-Cool OAT などとは Formula が違うと言われている.1.5-liter 一本 ¥1,700 + 税 と,それほど高価ではないが,交換工賃は ¥5,000 はかかる.車齢五年,二回目の車検でこれに変わったので,今後交換する必要はない. 2010 年 車齢三年,初回車検時に入れられたクーラントは TL 052 774 F0 規格の G 012A8FM8 であった."G12+" である.これと "G12++" となら混ぜてもよいらしい.クーラントも汎用性は低下し,指定銘柄以外不可となってきている. |
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「車齢五年,二回目の車検でこれに変わったので,今後交換する必要はない」と上に書いたのであるが,2013 年末,車齢七年,三回目の車検でもまた交換されてしまった.あまり注意を払わず,電話で受け答えしていて,薦められるままに諒承してしまった故である.入れられたクーラントは G 013A8JM1 とあり,呼称は "G13" へと移行している.環境負荷の問題から,Glycol を止めて Glycerin を使うことにしたとのことである.前者が鉱物系であるのに対し後者は植物系であり,そのうえ,バイオディーゼル燃料製造の副産物を有効利用することになるという.それにしてもここで交換するのは過剰整備である.冷却液 1.5 liter 瓶 2 本,@¥2,205,交換工賃 ¥5,250.2015 年末,車齢九年,四回目の車検では,車検整備一式,安心パックの中に含まれているからと,またしても冷却液は交換された.断っても一式の代金からは減額されないと宣うのたまう.交換しなくてよいから,¥5,000 引いてくれ.メンテナンスフリーを謳うメーカーの意向とは正逆なのだから.
燃料添加剤,Fuel Additive
ここに書くのは,燃料に添加するものであるが,"吸入弁清浄剤 Ventilreiniger" とは違い,"燃料供給系清浄剤 Vergaserreiniger: G 001 700 03" である.¥2,100.右,二つの写真の左側がそれ.成分として Toluene 5% + Xylene 25% となっていて,たいしたものは入っていないのかもしれない.Toluene なら燃料にも含まれているであろうから.十二ヶ月点検,二十四ヶ月点検の際にディーラが入れてくれた,これがそれなりに,その効果を体感できた.一本で三回分とある.現在は,上のものが Update されて,"火花点火機関用多目的添加剤 Mehrzweckadditiv für Ottokraftstoff: G 001 770 A2" に変わった.¥1,365.こちらは一回分.それが右側の写真.2015 年末:¥1,241. その昔,卒業研究で副室式ディーゼル機関を扱っていたとき,噴射ノズル出口まわりに Carbon Flower が形成されるのを経験したが,FSI ではそれに近いものができて,燃料噴霧が歪んでくるのであろうか. |
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フロント:#1K0 698 151H,リア:#1K0 698 451H,@¥11,016
車齢 9 年目,累積走行 60,400 km,四回目の車検時にディーラからリアの交換要請があった.残り 4 mm という.フロントの交換要請はなかった.Golf V を含む "A5" 系では,なぜかフロントよりもリアの方が早く寿命がくるもよう.それにしても,累積走行 60,400 km ものあいだ無交換でこられ,フロントはまだ二年間はいけるというのは立派である.リアの方もおそらくあと二年間はそのままでいける.
純正のブレーキパッドを使うのは無難であるが,どの部品屋のものか不明であるのが欠点である.Ate などと銘柄を指定して装着したいから.我国の Aftermarket では他に Delphi/Lockheed, Lucas/TRW, 独 Meyle, 独 Jurid, 伊 Raicam, 伊 LPR など,@¥4,000 くらいからある.車輌形式 1KBLX でもロータ径φ255 というのもあるので,注意が必要.ロータ径φ260 のものを選ぶ.
ドア内側開閉レヴァー,Door Operating Lever
Inner Door Pull Handle / Innenbetätigung Türgriff: 左 #1K5 837 113 UCU, 右 #1K5 837 114 UCU, 共に @¥7,344,片側交換工賃 ¥1,080 + 片側リアドアトリム脱着工賃 ¥4,320.色は Dark Brown.ひょっとして Black もあるのかも. 後部座席から外へ出ようとしてもドアが開かない.車輌外側のレバーを引けばドアは開く.この部品は米国では US$25 くらいで入手できる.中国からなら,相当品を我国までの送料込みで US$20 相当額で輸入することができる.2015 年末,車齢九年,四回目の車検にあわせて直してもらおうと考えていたが,国内在庫なし,Labor も高額なので,とりあえずは放置. |
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その他,関連パーツ品番
○ オイルフィルタエレメント #06D 115 562, @¥2,205,交換工賃 ¥1,775.2015 年末:@¥2,808,交換工賃 ¥1,620.
○ エアクリーナエレメント #1F0 129 620, @¥4,515,交換工賃
○ ポーレンフィルタエレメント #1K2 819 653B, @2,835,交換工賃 ¥2,100.2015 年末:@¥3,024,交換工賃 ¥2,160.
○ リブド V ベルト #06F 260 849E, @¥3,150,交換工賃 ¥5,250.
○ カップリングロッド #1K0 411 315R, @¥11,235,交換工賃 ¥4,200.
リコール,Recall
2009 年 1 月末に出されたリコール "外-1549" はユニット点火コイルに関するものであり, 当方の Jetta だけでなく,VW の他車種にも広く亘っていた.結論から言えば,部品に表示された型番を見て非該当となり,それで済んだ.付いていたのは Bremi の点火コイル "BAK" で,こちらは問題無く,Bosch, Blaibach の "BOJ" に問題があり,Bosch が対策交換品を出しているとのこと. |
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ユニット点火コイルは Direct Ignition Coil とも呼ばれるもので,これまで各社各様に多くのリコールを出してきている.BMW ではそれはかれこれ 20 年にも及び,今回の VW の件とは反対に,その中での,Bremi が悪くて Bosch は良いという例もよく知られている.Renault もこれについて大規模なリコールを出していて,そのときは Sagem 製,対策交換品は Beru 製であった.
保証,Guarantee or Warranty
VGJ が提供している製品保証については,似たような名称なのに中味が違うので,五年間を経験してみないと実際のところは分からない.特に,ServicePlus という語彙について,三年以内と三年以降で意味が変わる.こういう紛らわしい呼び名は改めてもらいたい.しかし,実際にサーヴィスを受けてみれば,決して "やらずぶったくり" というものではないと知られる.錆穴保証はかなり長期間あるが,該当経験がないので分からない.
○ 新車登録から三年以内の保証
1) 六つの安心サポート,新車登録から三年間,工賃・部品保証,無償
2a) Professional Care:工賃保証,三年,有償
2b) VW ServicePlus:部品保証,三年,有償
新車登録から三年目以降の保証
3a) ウォルフィ Wolfi サポート:一般保証,一年ないし二年,最長二年,有償
3b) 延長 ServicePlus:工賃・部品保証,一年ないし二年,最長二年,有償
普通に言う,一定期間内なら無償で不具合を直してもらえるというのが 1) 六つの安心サポート である.路上故障に対する牽引なども含まれる.消耗品は担保されない.
2a) & 2b) は修理というより,むしろ保守,メインテナンス契約である.2a), 2b) を分割して契約することはできない.ここに法定十二ヶ月点検や二十四ヶ月点検の基本費用が担保されていて,エンジンオイル,ワイパーブレード交換などのサーヴィスも追加費用なしで受けられる.必要があればブレーキパッドも交換される.実際には,これに初回車検のための二十四ヶ月点検,VAS5051 or 1551 による Diagnosis,ブレーキフルード交換,クーラント交換,完成検査料も含まれているので,担保されていない消耗品の交換が多くなかったこともあり,初回車検についてはほぼ,従量税,自賠責,印紙代,登録代行料など,いわゆる法定諸費用だけで済んだ.ただし,新車購入時には,このあたりの仔細はほとんど説明されないし,どこまでが担保範囲なのかは時期が近づいても事前にはほとんど分からない.ポーレンフィルタ交換は無償であったり別途有償であったりした.
3a) & 3b) はメインテナンス契約ではなく,1) の無償 フォルクスワーゲン安心プログラム:故障修理保証 を有償で一年ないし二年延長するというものである.3a), 3b) を分割して契約することはできない.これには保守,メインテナンスは含まれておらず,法定十二ヶ月点検や二十四ヶ月点検には別途支払いが求められる.よって,車齢 5 年,二回目車検の整備費用はそれなりにかかる.ここでの 3a) 一般保証というのは,路上故障で呼べばレッカー車が来るというようなことしかないのではないか.2a) & 2b) は VGJ が負担しているようであるが,3a) & 3b) はそれとは違い,どうやら損害保険会社が受けている模様.
上のように書いたあとほどなく,ありがたくもないことであるが,車齢五年までの延長保証が切れる二十日前に現実に Volkswagen Emergency Assistance というものの世話になり,レッカー車牽引でディーラまでということとなった.
Service Now !
車検に出してのち一年近くになると,エンジンを始動すると,チンという音とともに運転席メータパネルに "Service Now !" と表示がでるようになる.これは故障ではないのでそのまま乗り続けていても大した差し障りはないが,毎回は鬱陶しい.
メータパネル右側にある Odometer/Milometer を Reset するための "0.0" ボタンを押したまま Key を Starter 側にひとつ進める (ふたつ目まで進めない:Starter を廻さない/エンジンをかけない).パネルに "Service Now !" が表示される."0.0" ボタンから指を離し,次にメータパネル左側にある Clock 時刻設定用の "min" ボタンを押すと "Service Now !" の表示が消える.Key を 一旦抜き,再度差して普通にエンジンを始動すると,もう "Service Now !" と表示されることはない.
VW 504.00, 5W-30 なる第二世代 Long-Life Lubricant を入れたのなら,その後,二年,18,000 km 走行くらいまではそのままで問題ない.
三角停止表示板,Warning Triangle
トランク lid を上げると,荷室内側,リアバンパ裏側にあたるところに横長の凹みがある.この凹みは 三角停止表示板 を収めるための凹みである.凹みの高さはそこそこあり,幅 130 mm の旧来タイプ三角停止表示板をケース入りで収納できるスペースながら,旧来タイプの幅には既設固定バンドでは短かすぎて役立たず,別途何らかの固定手段が必要である.もとから備わっている固定バンドを使ってピッタリと合うのは,右の写真にある,幅 65 mm の "Euro-Mini" 三角停止表示板である.凹み内部にある浮き上がる爪にも沿い,固定バンドの長さも適当である. |
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いま我国の VW ディーラで販売されているのは "Euro-Mini" ではなく,VW #1Y0 093 055, "Euro-Micro" である.これの幅は 45 mm であり,凹み内部の爪に沿わせて収納できるのかどうかは知らない.
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