VW Bora Related
VW Vento, 9 年目と Passat, 7 年目とで生活していたのだが,縁者が Vento or Passat を使うと言うので,それの代替として,2002 年式,三年落ちの Bora を買おうと探した.これはまずまずというのが見つかったものの,APK/AQY エンジン,空燃比が狂って,過濃状態から黒煙を吹くという 「大クレーム 」* の,それもしっかりと症状が出た車であることが判明し,その考えは破棄.未登録の 2005 年式車がそのそばにあったので,やむをえずそれを買うことにした.すでに "A5" Golf は日本でも 2004 年から売られており,"A5" Jetta が 2005 年 1 月の Los Angels の Show で 発表され,米国で 3 月から売りだされるという時期,"A4" Bora/Jetta の最末期版である.その時期にこれを買うことには躊躇があったが,外装 Blackout の車が少なくなっているところなので,確保しておくという意味もあって踏み切った.モデルチェンジ前の在庫整理に協力したのかもしれない.いずれにせよ保守的な選択である.エンジンはすでにバランサ付きの AZJ になっていた.変更点は Twin-Balancer Shafts と Improved Inlet Manifold とのことである.後者によりトルクバンド域が高回転側に動いている.もっとも,オーストラリアではなぜかいまも APK/AQY は新車装着エンジンとして健在.その後一年を経ずして 2006 年 1 月から "A5" Jetta が我国でも販売されるようになった. * リコール:外-1143,
2004 年 7 月 22 日, http://www.volkswagen.co.jp/service/recall2004/
欧州車は Blackout が基本.Blackout というのは窓枠などを含め,外回りに "クロームのモールが全く付いて無い" という意味である.もちろん前面にも.断っておくが, 「ざ・総括 」 http://www.mook.co.jp/oldmagx/sokatu/vw_bora.html が褒めているというのが購入動機ではない.単に Vento の後継として使うということにすぎない.Bora の Rear View は Vento の秀逸さとは較ぶべくもなく,薄い印象しか与えないが,車輌全体としては Vento の後継としてのデザインになっており,しっかりとまとまってもいる."A4 Golf" は多いのに,我国で販売された Bora の台数は Vento の台数に較べてかなり少ない.米国では Golf はほとんど売れていないかわりに,旧名 "Jetta" をずっと踏襲しているこのセダンが結構な数で入っている.VW は "Jetta/Bora" をアメリカ向け戦略車とみなしてメキシコで生産しているようであり,アメリカでは "Jetta" はもっぱらキャリアウーマン専用と考えられている節がある.
当初,ステアリングのリニアリティや回頭性などについては Vento には明らかに劣り,B5 Passat にも優るとは言えなかった."Brake Later,Turn Deeper, Drive Harder" とはとても行かず,その逆であった.両車に較べて,制動時の重心点移動とフロントの沈みが共に大きく,下り坂で急制動したときの姿勢に不安感を拭えず,旋回開始をどこにするべきかの判断にとまどった.懸架装置各部の Compliance もかなり大きいのではないかと疑った.B5 Passat ではエンジンがかなり前にあるため,旋回初期の回頭性が悪いが,それは単にスリップ角を増やさざるを得ないというに過ぎないのだけれども,この Bora への対処手法は 11,000 km 走ったあとも未だ見いだせなかった.この点についてはその後 VAG1813 による Wheel Alignment 調整で七割方解決した.前後輪の Toe と Caster の左右差を小さくなるよう調整してもらい,下り坂急制動時姿勢不安定は治まった.重心点移動とフロントの沈みはもちろんそれでは解決できないが, 「どう操作すべきか判断に迷う 」 という問題点は解消して操縦安定性が上がった.特に後輪調整の効果が大きかった.もともと,それぞれの Wheel Alignment の数値は指定範囲内にあったのだが.
燃費については,96 年式 Vento や 98 年式 Passat と較べてかなり良くなっていて,10-20 % の向上がみられる.特にころがり抵抗が減っており,アクセルペダルから足を離したあと惰性で走る距離が長くなっている.国道+市街地あわせて 15 km を 30 分で走って 9.0 - 10.2 km/liter くらいの燃料消費である.変速機は四段オートマティック "01M" で,これは 形式では Vento と同じであるが,Shift-Up/Shift-Down の特性は大きく変わっている.
幸いにも,書くことは多くない.
1) 走行中,助手席エアバッグ付近よりカタカタと音.五箇月経過時にダッシュボード全体 P/N 1J2 857 002B 23F を交換.ダッシュボード内のエアダクト固定不良.
2) エアバッグ警告燈点燈."Airbag Fault" と出る.九箇月経過時.運転席エアバッグイグナイタ "N95" 脱着・再組付で解消.
3) CD Changer 動作中 Audio Head Unit から "ビッ" という音と共に "Error" と標示され,CD アクセス不能.九箇月経過時.Audio Head Unit: MDX-5V101R, #1J0 035 182 修理.
2008 年 2 月,車齢三年,走行 18,450 km,初の車検を受けた.先の Vento に較べて,これまでのところ故障は上記以外に無い.Vento で再々経験した "窓落ち" もない.下に書いたようにバッテリは交換した.
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2013 年 6 月,冷却水ポンプのインペラが崩壊して冷却不能となった.樹脂製のインペラのもので,必ずと言っていいほどに,発生するのは時間と走行距離だけの問題らしい.金属製インペラの冷却水ポンプへの交換であった.
VW 各車種の名称は多く "風" にちなんだものであるが,"Bora" はアドリア海に面したイタリア最東端の都市,トリエステ Ttieste の冬に吹く北風の意である.トリエステ Ttieste にはこの激しい突風に見舞われた際にしがみつくための手摺が街中あちこちに設置されている.
1J AZJ
全長×全幅×全高: 4375×1735×1445 mm
ホイールベース: 2515 mm, 車重: 1290 kg
エンジン型式: AZJ, ボア x ストローク: 82.5 mm x 92.8 mm, 圧縮比: 10.3 最高出力: 85 kW (116 PS)/5,400 rpm,最大トルク: 172 Nm (17.5 kgm)/3,200 rpm
B5 Passat から派生した車体デザインであると言われている.この車輌のシルエットは Passat ゆずりでなかなか美しいが,後席でルーフが下がってきていて,ヘッドクリアランスがやや不十分であることは
Passat 同様否めない.内装は Passat のそれとほとんど差がない.もっともプラットフォームは Audi A3 と共通.
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点火プラグ
純正品:NGK: PZFR5D-11, #101 000 062 AB, 白金チップ接合接地電極なるダブルプラチナ.日本では NGK の定価で ¥1,890, ドイツでのディーラ価は 15,75 Euro, 米国での List price: $19.50.互換品:Bosch: FR7HPP222, #0241235715, ¥1,575, List price: $25.75.他に Champion: KC8ZPYPB4.
AZJ エンジンでも 2003 年までは Bosch: F7LTCR / NGK: BKUR6ET-10
であって B5 Passat, ADR と共通であった.それについてならここに 詳細 がある.NGK: PZFR5D-11 は BKUR6ET-10 から見れば熱価がひとつ下がっているのに対して,Bosch の互換品では変わっていない.
Vento などに採用されていた,接地側三本電極,セミ沿面放電形プラグについては以前からその効果を疑問視していたのだが,ついにとり止めた.
PZFR5D-11 は 2.3-liter AQN, 2.8-liter BDE エンジンなどに使われているのと同じものである.ワッシャ着座面から上方へ正電極端までの距離は ISO 寸で X=50.5, 取付螺子リーチは 19, そこから下へ金具付出し Z=3.0, 飛火位置 (正極先端) Y= 7.0.ワッシャ着座面から下方へ接地電極外端までの距離は28.8.イリジウムプラグを含め,一般に市販されているプラグだとこの値は 25.6 なので,このエンジンへの互換性はない.
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車齢の尽きるまでおそらく交換する必要がない.
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エンジンの化粧カヴァを外すとウッとうなる.点火プラグの一番,四番はすぐに見えるが,二番,三番はインテイクマニフォールドの真下にあたっていて容易にアクセスできそうにない.市販工具では無理であろう.白金プラグを純正として,十万 km メンテナンスフリーを謳い,また謳わねばならない設計である.ただし,六万 km 毎の交換が推奨されているとも聞く.
Michelin, Pilot Primacy
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タイア
Michelin, Pilot Primacy,
195/65 R15, 91V, 重量: 9.1 kg
内側が広いブロック、外側は狭いブロックとなった 「左右非対称 」.
回転方向の指定はない.
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ホイール
VW 純正,"Agus", #1J0 601 025 AA 091, #1J0 601 025 B
ホイール サイズ: 6.0J-15,
ホール数: 5, PCD: 100, ET: +38
センターハブ径: φ57
重量: ?.? kg
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ホイルハブボルト:M14×1.5,
首下: 28.5 mm, 着座が φ26 の球面タイプ.
エンジンの Oil Filter は Vent, B5 Passat などと共通の P/N 06A 115 561B.交換は 30,000 km / 2 年.
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Michelin, Pilot Primacy は,回転方向指定はないものの,左右非対称で,車輌の内側,外側の指定がある.Michelin, Pilot Primacy の2004 年末,ドイツ製造のものが新車装着されていた.Michelin, Pilot Primacy は惜しいことに我国の Aftermarket ですでに "Discontinued" となったらしい.ただし,Volvo の部品としては入手できるらしい."Brake Later, Turn Deeper,
Drive Harder"
バッテリ
車齢三年,走行 18,450 km,初の車検でバッテリ交換を推奨された.欧州車のバッテリには手を焼く,というのは相変わらずであるうえ,今回はバッテリ価格の高騰に悩まされた.原材料,鉛地金価格が 2003 年比で 6 倍と云う.経済産業省の資料によると,2003 年 7 月に 514.8 $/t だったものが 2007 年 7 月に 3084 $/t まで上昇した.2008 年に入って三割強下がっているものの,近年の最高値は 4000 $/t に限りなく近い 3890 $/t で,日本円では ¥507k/t.2007 年中だけでも国内メーカは二度公式に値上げしており,その間およそ半年なのに,そこでの鉛の価格上昇は二倍であったらしい.純正品が従来の価格なら高価とも言えない状況にあるが,純正品も昨 2007 年二回値上げされていた.しかしながら,質量 16 kg のバッテリでも鉛地金の量は 10 kg 程度であろうから,鉛の価格だけから言っても US$40 ということになる.
選定には下記の Varta や Bosch Japan のページに出ている品番表が参考になるが,それとて,あくまで参考であって,Varta の Web site でも,別の途を辿ると下の品番表とは別のものへと至る.
http://www.varta-automotive.com/eng/content/batteriesuche/VARTA2007_8.pdf
http://www.bosch.co.jp/jp/aa/
純正は #000 915 105 AC, Exide EP462 ではないかと思われるが,確かめていない.寸法は 242W×175D×175H ではなくて,242W×175D×190H,電極配置は "L",20 時間率定格容量は 62 Ah,下部取付形状は "B13":ノッチ高さ 10.5 である.バッテリカヴァがついているので,別の寸法のものをというオプションは全くない.DIN 56219 が適合するらしいので,Bosch PSI-6C を ¥7k で購入した.これの価格はなぜかほとんど上昇していない.二年・三万 km と保証は以前の倍の長さになっている.長辺下部にも短辺下部にも取付突起が出ており,それがどうやら "B13" 規格らしい.PSI-6C は PPI-6C の後継品であり,S-6C: Silver とは別規格品である.我国で流通している Bosch のバッテリの多くは韓国の Delkor による OEM であるらしく,ヤナセが売っている Euro_Black は Bosch の PSI であると云う.ここで Delkor は AC_Delco, Delphi 系列であるから関係はややこしい.また,Bosch の Silver は Varta の Blue Dynamic と同一品と聞く:Bosch のバッテリは多く Varta であると云われる所以.さらに Varta は GS_Yuasa であり,世邦電池 Global Battery は以前はグローバル・ユアサという名前であった.
Bosch PSI-6C は車齢七年,三度目の車検まで四年,四万 km 弱のあいだ保った.そこで AC-Delco 20-60, ¥9k に交換した.しかしながら,この AC-Delco バッテリ,数ヶ月で始動不能となり,その後二ヶ月を経ずして再び始動不能となった.通販で調達して車輌ディーラへ車検整備時に持ち込んで交換してもらったものなので,この段階で破棄することとした.車輌側の瑕疵によるバッテリ上がりであるのかどうかを切り分けるため,安価な新品バッテリ Atlas 56219 を装着して様子をみている.価格は AC-Delco のそれの六割である.交換後異常なく六ヵ月経過した.Renault Lutécia に載せた AC-Delco バッテリでも八ヶ月経過でバッテリ上がりを経験しているので,AC-Delco バッテリの高い不良率を思わずにいられない.バッテリには購入時に保証書が添付されているものの,問題が生じたと申告して無償交換に応じてくれることはないのではないのか.買ったところへ送り返すのも容易ではないし,良否判定に時間もかかり,その挙句にミドトロニクス Midtronics が不良品ではないと表示するからということで戻されて来るのであろう.その間,車は使えないのだから,そんなことをしているくらいなら,悪いものにあたったのがこちらの不幸としてすぐに別のものを買う方がましである.
下部取付形状 Hold Down 形状の規格がはっきり示されているところを知らないが,おおよそ右のようなことらしい.
"B3/B13" は長辺・単辺の両方に下部突起があり,"B4/B14" では下部突起は長辺のみにある. "B" 以降の数値が一桁であるか二桁であるかの違いは突起に刻まれた切り込みの数だけのようである.
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ワイパーブレード / ワイパーゴム
正確な名称を知らないが,通称エアロワイパーなるものである.右:#1J2 955 426B,左:#1J2 955 425B であり,単価はそれぞれ ¥2.31k である.長さはそれぞれ 21", 530 mm / 19", 475 mm.A4 Golf / Bora については,我国では替えゴムだけの設定はないけれども,ドイツでは A5 系列用の替えゴム: #1K0 955 429, Wischgummi で対応されていると聞いた.替えゴムだけなら ¥1k で済む.それを手すきの折に確かめようと,交換前のもともと着いていたものを渡さずそのまま持ち帰ってきた.Bosch からもエアロツインワイパーなる名称で相当品がでているとのことである.3369118928, A928S, 左右合わせて ¥4.83k がそれ.純正品も元々 Bosch のものであるらしい.Valeo なら VM318 が相当する.PIAA の替えゴム:07-suw70e, ¥3.28k というのも見た.2012 年の初め,eBay UK で右ハンドル用ブレード,左右二本合わせて本体価格 £9.98,送料 £3.98 というものを購入.スターリングポンドが ¥120 なので,¥1.7k で済む.
ブレーキパッド
前輪:#1J0 698 451F,純正品の価格は ¥21,200 + 税 である.後輪:#1J0 698 451D,純正品価格は ¥9,600 + 税.Golf を含め, A4 年代の車輌では,前輪のブレーキパッドよりも後輪のそれが先に減るという特徴がある.A3 系列とはプロポーショニングバルブの方式が変わったためであると言われている.新品時の前輪パッドがしっかり厚く,相対的に後輪のそれが薄いというのもその理由かもしれない.同等品はいくらも見つかるが,純正品も生産している Ate のものが安心である.前輪用 Ate は "13.0460-7117.2",市場価格は ¥6,000 くらい.後輪用 Ate "13.0460-2820.2",¥4,500 くらい.Meyle ならもっと安価.純正品には米国製もある.片側だけながら,前輪は摩耗センサー付きであるが,後輪にはセンサーはない.
CD チェンジャ
Bora ではラゲッジルーム (トランク) までケーブルが既設されており,そこの左側,トリムカバー内に
"縦置き" に装着する.車についているデッキ/ヘッドユニットは FM/AM/MD の MDX-5V101R #1J0 035 182 である.液晶画面の背景色は青.
コネクタ形状は ISO10487-1 で,電源やスピーカ端子のある二段は欧州車に共通のものであるが,チェンジャ接続ケーブルがつながる一段は
20-pin の新コネクタである.
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A4 Golf では左側,トリムカバー内に "横置き" に装着する.
Yahoo Auction で必要な品物を調達し,"机上で" 作動状況を調べた. 最も入手困難だったものは右の写真にある接続ケーブルであった.このケーブルがなければ机上テストはできない.
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* FM/AM/MD ヘッドユニット "MDX-5V101" には二種類ある.MDX-5V101R #1J0 035 182
と MDX-5V101P #6N0 035 182 A.嵌め合いのガイド (円筒状の突起) がゴム製の比較的短いものと樹脂製の比較的長いもの.外見ではこれくらいしか差がないようで,どちらでも互換性には問題ないらしいが,詳しいことは知らない.
VW 純正,Sony ソニー製の 6 連装 CD チェンジャ:CDX-5V562
#J0V CD3 A02, Advanced-ESP 搭載, CD-R 対応, MP3 非対応, 横幅 234.4 mm × 高さ 60 mm × 奥行き 159.5 mm. 8-pin DIN 接続.Magazine: XA-T7, #J0V CD3 A02 A1, 取付けキット #J0V CE5 V15, 取付穴間隔 262.
右端の写真,白いのは汎用上位互換品.CDX-T70MX, A-ESP 搭載, MP3 対応, CD-R 対応, 234.4×60×159.5, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T7.MP3 にも対応しているので ,変換アダプタを自作してつなげば Happy に.我国ではすでに販売終了となっているが,米国,欧州にはまだある.Peugeot の純正品が同型らしい.
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FM/AM/MD ヘッドユニット MDX-5V101 に対応している CD チェンジャには上記を含め以下のものがあり,Sony ソニー製である.初期のものは,CD-R 非対応であるうえ,音飛びがひどいとの指摘が多いが,単にばらつきの幅が大きいだけのように思う.
CDX-5V560,
CDX-5V561, #J8D CD3 A01 A, VW 純正,ESP 非搭載?, 225×68×158, CD-R 非対応, 8-pin DIN 接続.Magazine: XA-T6, #J8D CD3 A01 A1.
CDX-T60/CDX-T62, ESP 非搭載, 225×68×158, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T6.
CDX-T65, ESP 搭載, 225×68×158, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T6.
CDX-T602, ESP 非搭載, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T6.
CDX-T605, ESP 搭載, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T6.
Peugeot 純正 CDX-5P71, 225×68×158. Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T6.
Porsche 純正 Porsche CDC-3, 225×68×158. Magazine: XA-T6. Porsche #993.645.130.00, Becker CDC-3, BE 2660
Fiat 純正 Fiat 1091, 225×68×158. Magazine: XA-T6. #60 65 83 01, #65 61 10 40 91, 5WX78170
CDX-5V562, #J0V CD3 A02, Advanced-ESP 搭載, CD-R 対応, MP3 非対応, 234.4×60×159.5. Magazine: XA-T7
Becker Silverstone 7860, Advanced-ESP 搭載, CD-R 対応, MP3 非対応, 234.4×60×159.5. Magazine: XA-T7. 現在上記 Becker CDC-3, BE 2660 の代替品となっている.
CDX-T70MX, A-ESP 搭載, MP3 対応, CD-R 対応, 234.4×60×159.5, Sony Bus ソニーバス/UniLink ユニリンク.Magazine: XA-T7.
ラゲッジルーム左,トリムカバー内にはそのままでは 6 連奏 CD チェンジャしか装着できない.その場所にこだわらないというのであれば,Sony ソニー製の 10 連奏 CD チェンジャへと選択肢はひろがる.もちろん変換アダプタは用意しなければならない.変換アダプタの作り方は http://www5e.biglobe.ne.jp/~G4kowaza/detail_a/a08_04.htm に詳しくでている.ご努力に感謝.そこに出ていない注意として,8-pin DIN 雄コネクタには二種類あり,中央に近い一本を除く七本が同芯円上に並んでいる方を選ぶ.もうひとつ,ケーブル保護網目ゴムは捨てないと音声用のケーブルが通らないから,網目ゴム一体型のコネクタを買わないこと.
CDX-5V562 については,出物が数少ないうえ,出たときには高値での売買になっている.CDX-5V562 用のマガジン XA-T7 の単独入手はかなり困難.
現在 CDX-T60, CDX-T62, CDX-T65, CDX-5P71, CDX-5V561, CDX-5V562 をそれぞれに複数台用意して使い較べている.CDX-T60/62/65 でも CDX-5V561 でも,また CDX-5V562 でも 「音飛び 」 というのを経験した.これまで Vento には Panasonic の,Passat には Clarion の 6 連奏 CD チェンジャを使ってきたが, 「音飛び 」 というのは初めてである.CDX-5V561 は CD-R 非対応とはいうが,読む CD-R もいくつかある.CDX-5V562 は Website: http://www.volkswagen.co.jp/cars/accessories/html/Lupo/products/Audio/product_data/AUD_cdx_5v652.html には CD-R 対応とあり,確かに読むのは読むが,いく枚かの CD-R で Scratch Noise を出す機がある.正常に読むものと読まないものとの差がどこにあるのか,一般性のある基準をまだ見いだせないでいる.
CDX-5V561 を例に取ると,CD-R の再生について 97 点のものと 50 点のものとがあった.前者では適当に焼いた CD-R をほぼメディアを問わず読み,きれいに再生した.このチェンジャを実車に装着して, 「音飛び 」 が出るかどうかに注意しながら,掘り返し埋め戻し多数回/アスファルトパッチ無数という道路 (中京高等学校正門前,香積院参道) を走ったが,いまのところ出ていない.一方,50 点のものというのは,焼いた CD-R を 6 連奏マガジンに入れれば,机上テストでそのうち 3 枚ならまともに読むという意味である.これを実車に着けると 「音飛び 」 を経験できる.すなわち CD-R を読みづらいというのと音飛びがあるというのは,別々の独立のことではない.このように,同一機種でも複数台入手すると,CD-R の使えるものとそうでないものとにある確率で分かれる.もっとも,通常の CD を読まないというのはさすがにない.しかし,CD-R 再生で 50 点のものは通常の CD 再生でも,極端に不愉快ではないにせよ 「音飛び 」 がそれなりに出る.CDX-T60 の場合にはこのような個体差が極めて明確に現れた.
運が悪いだけなのかもしれないが,入手したときは正常に動いていて,安定性確認のために一昼夜廻わしているあいだに壊れてしまったというのがひとつでなくふたつもあり,そのうちのひとつは CD-R 再生 97 点のものであった.また,普段の動作に問題はないのに,外気温が 4o C より下がるととたんに,機械系ではなく,電子系が働かなくなって,ヘッドユニットに "Error" 表示が出て固まってしまうという機も存在する.一般に民生用半導体の動作補償温度は氷点以上であるとはいえ,トランクルームに設置するものがこれでは困る.ESP (Electronic Shock Protection) 搭載機を選ぶ方が無難なのかどうかについては未だ結論が出ていない.個人的には ESP 無しのほうが普通の音がするように思う.
いろいろと試してみた結果,現在使っているのは,上記右上の写真にある白いもの,CDX-T70MX である.アメリカの eBay オークションで新品を $70+送料 $10 にて落札し,訪米の帰路持ち帰った.変換アダプタを自作してつないでいる.700MB×6 = 4.2 GB 入るから十分すぎる容量である.マガジン XA-T7 も別途調達したが,使うことはおそらくないであろう.ケーブル端子の変換アダプタには VW 純正品もあるらしく,8-pin DIN 雄コネクタのところに抜け防止用の爪が付いていることを誇っているようであるが,Sony 製の CD チェンジャでは,コネクタの接続が外れる以前に本体が故障する懸念の方がずっと大きい.テフロンシールテープを巻いておけば充分な上,水分の露結防止にもなる.CDX-5V561 を売り飛ばさず,予備に置いておかなければならない.MP3 への変換には iTune についているものではなく,"Lame Encoder" を用いている.これで従来の CD 七枚ないし八枚が一枚に収まる.CD そのものと MP3 にして聴くのとでは,差が無いとは決して言えないが,Car Audio としてなら許容範囲内である.ヘッドユニット MDX-5V101 ではもともと "CD Text" には対応していないらしく,ヘッドユニットには曲名は表示されず,Track 番号しか出ない.Track 番号の表示部は二桁なので 100 曲目以降は下二桁だけになる.そういえば Sony は Car Audio から撤退したらしい.さもありなん.さて Becker はどうする.
エンジンオイルのロングライフ化
2000 年に Volkswagen/Audi は "VW 503.00" なる Long-Drain Oil 規格を新たに定め,新車にその規格のオイルを充填していると言っている.粘度表示 "0W-30" の100% 化学合成油であり,減った分だけオイルを補充すれば 15,000 km 走行まで性能が保証されるとのこと.実際の品は "Castrol SLX Longlife II, 0W-30" がそれらしい.それまでは "15W-40" など,暖機終了後 (100o C で規定) 粘度 "40" の鉱物油/半合成油が指定されていたことからの大幅な変更である.廃油の量を減らすのがその主旨のようであるが,思想が変わったといっていいほどである.さらに2004
年には 30,000 km 無交換性能保証のものも発表されているという.
もとのドイツ語での説明には "Durch die Wartungsintervallverlängerung sind Ölwechselintervalle bei Ottomotoren (VW 503.00) bis 30.000
km und bei Dieselmotoren (VW 506.00/506.01) bis 50.000 km bzw. max. zwei Jahre möglich." とある.我国で 15,000 km / 1 年 と言っているのは実は本来 30,000 km / 2 年 のことであり,二倍もの日本版鯖読であるとわかる.また,ディーゼルでなら VW
506.00/506.01 規格油で 50,000 km / 2 年 という.これらのエンジンオイルは上位/下位互換ではない場合も多いので,2000 年モデル以前のものには基本的には使ってはいけないことに留意すべきである.
Volkswagen/Audi だけではなく,Mercedes-Benz, BMW, Opel, Porsche も指定交換時期延長という路線で動いている.VW 503.00/Mercedes-Benz 229.3, VW
506.00/VW 506.01/Mercedes-Benz 229.5 などをあわせて 「新世代の低燃費ロングライフ 2 規格 」 と呼ぶようである.BMW Longlife 01, Opel GM-LL A025/B025 規格は後者の最新規格に近いとのこと.オットーエンジンで
30,000 km なのに,ディーゼルで 50,000 km なのは,ガソリンによるオットーエンジンでの潤滑油希釈は無視し得ないものであることを意味している.
Agip 7007, Aral SuperTronic LongLife II, BP Visco 7000 LongLife II, Castrol SLX LongLife II, Esso Universal LD, Fuchs Titan Supersyn SL, Mobil SHC Formula LD, Shell Helix Ultra X, Vaps Vapsoil 50601, Veedol Syntron LongLife II などがこれらの規格該当品である.ガソリンエンジン用とディーゼルエンジン用とに別れていない銘柄もかなりの数でているのも興味をそそる.
2000 年の導入以来 5 年も経過するのに,この規格に該当すると銘打つエンジンオイルが我国の一般市場でほとんど見られないというのは奇異なことである."Mobil 1, Race Proven, SAE 0W-40" *, "Motul Specific, 0W-30" くらいしかないうえに,けっこうな高値である.外に出れば "Elf Evolution CRV 0W-30", CAD12 (リットルあたりおよそ千円) というようなのも散見されるのにどうしたことなのだろう. 「ほどほどのグレードの潤滑油が与えられてさえいれば 」 と上述したが,このレヴェルになるとそうとも言っておれず,きちんと性能が確保されたオイルを選んで入れないと技術的な整合性に欠けることになる.
「Bora 取扱説明書 」 251.551.BOR.70.09.04, 2004 年 9 月,を見ながらこれを書いているが, 「エンジンオイルの説明 」 p. 5=18 では VW 503.00 規格でロングドレインとしない場合でも VW 502.00 / VW 501.01 規格 (1997 年以降のオイル) 以外は認められておらず,かなり厳しいものになっている.つまり,VW 500.00 規格のオイル,"Esso Ultraflo, API SL, SAE 10W-40, 半合成油" など,ではだめと言っているのである.VW 純正の VW 502.00 認証油は "Castrol Syntec, 5W-40" らしい.
それにしても,このロングライフ 2 規格の説明には 「減った分だけオイルを補充する 」 とある.意識的にある程度は減るように仕向けてあるというようにも読める.20 年以上前ならいざしらず,このところ交換時期までにエンジンオイルを追加した経験がない.上の 「Bora 取扱説明書 」 には "エンジンオイルの消費量は運転方法,交通状況によって増減しますが,通常 1,000 km 走行当たり 約 1.0 リッター程度なので", p. 5=19",とある.これでは 1,000 km 走行当たり 1.0 リッターの消費があたりまえのように聞こえる.それで,改めて 「VW Vento 取扱説明書 」 953.552.1H2.70.04.95, 1995 年 4 月,を読み直してみると,"運転方法にもよりますが,オイル消費量は通常 1,000 km 走行当たり 1.0 リッター以内です.p. 123", という具合で,近い表現ながら,そこまで早くは減らないというニュアンスになっている.
仮に初期充填量を 4.0 リットル,5,000 km 走行ごとに 0.5 リットルを補充するとすると, 30,000 km 走行なら交換までに 2.5 リットルを補充することになる.その補充した分はどこへ行ったかというと,燃えてテールパイプから排出されるに違いない.そのときの交換時廃油量は 3.5 リットルである.旧方式なら 15,000 km 走り,その間,少しは潤滑油消費があるとすると 3.5 リットルの廃油が出る.そこで4.0 リットルの新油に交換して次の新たな 15,000 km 走行とあわせて 30,000 km 走行とする.つまり,新方式では 3.0 リットルの大気排出と 3.5 リットルの廃油,旧方式なら 1.0 リットルの大気排出と 7.0 リットルの廃油である.較べるべきは,大気へ燃焼ガスとして排出される 2.0 リットルと地上で容器に入りの廃油 3.5 リットルとであり,いったいどちらが良いのかを判断しなければならないのではないか.あるいは,このロングライフ 2 規格への転換は,従来程度の潤滑油消費量で済むことを前提としないと成り立たないものなのではないか.マニュアルに書いてあるような 「通常 1,000 km 走行あたり約 1.0ιの消費 」 は御免こうむりたい.量で燃料の 1% に相当するではないか.値段でなら消費燃料の 25 % 分が上乗せされることに相当する.一桁下の 「5,000 km 走行あたり 0.5 リットル以下 」 が常識的な線であろう.当方の 2005 年式 Bora で 10,000 km 走行して,幸いなことに,消費量を確定できるほどの液面低下は認められていない.
* "Mobil 1, SAE 0W-40" については "VW 503.01" という VW 503.00 の一部上位互換規格で認証を得ていた.VW ではこれをディーゼルエンジン潤滑油とは認めていなかったが,Opel ではディーゼルエンジン油として使ってもよいことになっていた.VW 503 はガソリンエンジン油の,VW 506 はディーゼルエンジン油の規格であった.上述のようにガソリン/ディーゼル両用のものが多いが,"Mobil 1, SAE 0W-40" はそれに該当しない."Castrol SLX Longlife II, 0W-30" との比較では,始動後暖気終了時までの感触が "Mobil 1, SAE 0W-40" の方が良いという程度であり,燃費にも有意差はなかった.かつて米国製,VW 認証済の Quart ボトルが輸入され,600 円台の格安で売られていて,圧倒的に安価であったが,いまは倍くらい取られる.スペックは ExxonMobil のサイトにある.これを購入して一年ごとに交換している.
現在すでに ロングライフ 3 規格 の時代に入っており,VW 504 がガソリンエンジン油の,VW 507 がディーゼルエンジン油の規格として動いており,それに対応する潤滑油も販売されている.それぞれ FSI 直噴ガソリンエンジンに,Euro-IV 対応 DPF 付きディーゼルエンジンに合わせたものである.これらの新規格潤滑油はともに VW 503/506 との互換性を持つという.ただし,粘度は 0W-30 ではなく 5W-30 になっている.