低温度自着火とはどういうものか
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着火とは何か

 燃料/酸化剤 予混合気の圧縮着火を永年扱ってきた.着火の問題の第一は,まずそのとき想定される温度・圧力の場で "着火するのかしないのか",ということである.第二には "いつ着火するのか" である."なぜそうなるのか",ということがその次にある.このページでは前ふたつまでの説明とする.往復ピストン式エンジンのシリンダで起こるような着火を想定して現象を考えているのであるが,応用先はエンジンだけに限られるわけではない.

 "Ignition" という英語に対して日本語には 「点火」 と 「着火」 という二つの言葉がある.「点火」 は火種を与えて強制的に火をつけることであり,「着火」 は自然に火がつくということである.それゆえ 「自着火」 と表現すると "自然に" という意味がダブる.しかし "Ignition" を頑なに 「点火」 と訳して,「着火」 のことを 「自発点火」 と言うのもいかにも大人気ないだけでなく,語彙そのものが自己撞着に陥っている.* 着火は英語では Self-Ignition ないし Auto-Ignition である.しかし,"Ignition of methane" などのように使うと,Ignition は着火と解釈される."Ignition to methane" なら強制点火になろう.

 往復ピストン式内燃機関のシリンダ内チャージは,ピストンで圧縮されてその温度・圧力が上がる.チャージの全体もしくは一部が燃料と酸化剤からなる混合気であれば,そのうちに着火して燃えだす,そういう現象が "ピストン圧縮 低温度自着火" である.着火して燃えだすと困る場合と着火して燃えてもらわなければ困る場合とがあるが,現象としての考え方に差はない.内燃機関関連では,火花点火機関のノッキングが前者に,ディーゼル機関の燃料油着火が後者にあたる.ここで低温度と言うのは,混合気に与えられる温度が 1 000 K 以下という比較的低い温度ということから来ている.もちろん "高温度自着火" と対になっている用語である.火花点火機関におけるノッキングでは,チャージの温度・圧力上昇への寄与がピストン圧縮のみではなく,伝播火炎などの別の起源による温度・圧力上昇が加わる.こうした場合もピストン圧縮自着火の範疇で併せて扱われる.低温度自着火は,短くは 「低温着火」 でよい.エンジンでは空気や混合気が圧縮されて温度が上がるので,この手の着火をしばしば 圧縮着火 と称するのである.

 自着火とは火種を与えなくとも自然に激しい熱発生へといざなわれる現象である.古くは筑豊炭田の ぼたやま 内部深くの低質炭がしばしば発火したことや,最近のゴミ固形燃料 (Refuse Derived Fuel) 貯蔵サイロの 爆発事故 なども自着火である.このような自着火は,原資が固相であったとしても,反応は気相で起こっており,内燃機関関連の着火と類似の現象であって,同じように圧力依存性が極めて高い.

 圧縮自着火現象の基本的な特性をひとつひとつ,それぞれ独立に調べて,そこで得られた結果を,あたかも囲碁で石をひとつひとつ置くごとくに“布石”して行き,それらを合わせ見たとき初めて,着火として一般性のある見解を得ることができた.ひとつひとつの石とは,例えば圧力依存性,温度依存性,燃料の種類,当量比依存,混合気流動,活性/不活性ガス希釈の影響などである.それぞれの事象が互いに関連し合っていて,全き独立は簡単ではないが,石の数を増やし,着火として普遍性のある情報を得れば,その知見の適用範囲はエンジン燃焼に限定されない.

 エンジン以外では例えば別ページに示したような,化学プラントにおける反応 への応用が可能になる.高吸水性繊維の原料はアクロレインの低温酸化で作られるが,その生産設備を爆発に至らせないための安全操業条件を,ピストン圧縮自着火の実験結果から評価することができる.すなわち,反応をアレニウス式で表わしさえすれば,時間スケールで三桁,圧力スケールで二桁も先へと外挿で適用して誤たない.機械関連の事象では時間や空間のスケールが三桁にわたることはめったにないが,化学反応では普通のことである.

 ピストンエンジンのシリンダ内のような容器内で着火が起これば,たいていは明確な発熱が得られるので,それに応じて容器内の圧力が上がる.それゆえ圧力履歴を観測していれば着火が生じたかどうかの判定は簡単である.下図はブタン n-Butane を燃料とし空気を酸化剤とした,当量比 0.65 の薄い Lean 混合気を 急速圧縮機 で自着火させた一例である.横軸目盛はピストン圧縮終了からの経過時間で,縦軸には圧力,青色と赤色の自発光 履歴が描かれている.自発光については,発光があったときに下方に振るように表示されている.圧縮終り温度・圧力の表示は図中にある.

 「低温度自着火」 では本来の着火,明確な発熱を伴う熱炎 (Hot Flame, Hot Ignition) が生じる前に 冷炎 (Cool Flame),青炎 (Blue Flame)* と呼ばれる 低温度炎 が発現する.冷炎 Cool Flame 反応は自己縮退性 Self-Degererate Characteristics を示すので,急速圧縮機などで,着火誘導期間の自発光を観測すれば容易に冷炎を特定することができる.圧縮終りの温度・圧力場が与えられてから冷炎発現までの誘導期間を τ1,それ以降青炎発現までを τ2,またそれ以降熱炎発現までを τ3 と言う.これらはほぼ学術用語となっている.冷炎 Cool Flame,青炎 Blue Flame,熱炎 Hot Flame をどう区別するのかについては別途述べる.* 輝炎・不輝炎の区分で,不輝炎のことを Blue Flame と呼ぶことがあるが,ここの用語はそれとは別物である.

 実機では冷炎発現温度域を短時間で通過することが多いので冷炎はほとんど観察されない.そのことについては Livengood-Wu 積分 のページで詳しく述べる.


低温度自着火では自分で場の温度を上げなければ着火に至らない

 低温度自着火を考えるときにこれと対比されるものとして "高温度自着火" を見ておくのがよい.高温度自着火の着火遅れは,例えば,単純な系である CH4/O2/Ar 混合気の着火遅れ τ についてつぎのようなアレニウス表示がなされる (1)


 この式を見れば,酸化剤 O2 濃度の影響が燃料 CH4 のそれに較べて相当大きいとか,希釈剤アルゴン Ar の濃度が変わっても着火遅れには影響がない,というようなことが分かる.こうした表示はその適用範囲が限られているからまずそれに注意しなければならない.この式が有効なのは 1500 - 2150 K であり,衝撃波管で実験がなされる範囲である.二原子分子である N2 を希釈剤にすると実験が純でないので,希釈剤には Ar が使われている.希釈剤アルゴン Ar の濃度が変わっても着火遅れは変わらないというのは,第三体の濃度がどうであろうと,燃料の濃度,酸化剤の濃度で着火遅れが決まる,と言っているわけであり,そのことは高温度自着火が有する重要な性質のひとつである.

 低温度自着火で本格的に熱発生が起こる,いわゆる 「熱炎着火」 となるのは場の温度が 600o C, 900 K 近くになってからである.予め混合気に付与された温度はそれより低いので,温度を持ち上げる作用がないと着火には至らない.そういう特質があるものを低温度自着火と呼んでいる.着火まえ反応のことを 前炎反応 Preflame reaction というが,低温度自着火では Chain-thermal nature, Thermo-chemical nature などと呼ばれる性質,すなわち,前炎反応とは燃料の分解とそれに伴う酸化反応が進むことであるが,そこでの発熱で場の温度を,つまり自分自身の温度を,持ち上げないと着火しない.もともと低温酸化反応には N. N. Semenov が唱えた連鎖分岐反応が多くあり,連鎖分岐反応の温度依存性は本来大きくない.しかしそうした反応でも多くが発熱を伴う.つまり,連鎖反応と熱着火の性質を併せ持つ. そのとき希釈剤 (Reactant ではない不活性ガス) が多いと Reactant 単位量あたり加熱すべき物質量が増えて着火しにくくなる.低温度自着火では Arrhenius 表示着火遅れの Ar 濃度 [Ar] の肩に付く指数が "0" にはならない (x).もっとも 「青炎支配域」C の着火では指数が比較的 "0" に近いということはある.しかしここでも着火までに自己の温度を持ち上げるという操作なしで着火するということはない.

 往復ピストン式エンジンのシリンダで起こる着火は "低温度自着火" であり,それに較べて上式の温度範囲は遥かに高いので,これでエンジンの着火を推し量ってはならない.低温度自着火にはまた別の表示式が要る.

 低温度自着火での自着火遅れをアレニウス Arrhenius 表示したものの古典として,Lewis & von Elbe の教科書に出ている Scheuermeyer & Steigerwald のデータ (3) を右図にあげる.そこには,冷炎着火遅れが温度上昇とともに短くなるという事項に加えて,着火遅れのアレニウス Arrhenius 表示で,みかけの活性化エネルギーが負の値になる 「負の温度係数域」 Negative Temperature-Coefficient Region, NTC という特異な温度域があることが示されている.通常なら温度が上がると反応速度の上昇で着火遅れは短くなるはずのところ,この領域では温度が上がると着火遅れは長くなる.


 このような低温度自着火での自着火遅れを,冷炎発生までの遅れ τ1,それ以降を τ2 とし,熱炎発現までの τ3 は極く僅かなので青炎着火遅れ τ2 に含めてアレニウス Arrhenius式で表して Rögener の式 (4) ができた.それが右の表に示される.Exponential の肩にある活性化温度が青炎着火遅れ τ2 では負の値になっており,冷炎着火遅れ τ1 は常識的な挙動であるのに対して,青炎着火遅れ τ2 が特異な挙動を示し,温度が上がると,τ1 << τ2 となってくることが知られる.負の温度係数域が生まれるとりあえずの理由は青炎着火遅れ τ2 の特質に」ある.

 また,圧力依存性については,共に圧力が上がれば反応速度が上がって着火遅れが短くなる正の依存性を有するが,冷炎着火遅れ τ1 の指数に較べて青炎着火遅れ τ2 の指数がに倍から三倍ほどに大きい.


 これが 1951 年頃の状況であり,τ1τ2 の 2 本しか式がないのは,すぐ下に述べる,いま我々が 「青炎支配域」 と呼んでいる温度域の着火はその当時はまだ考えられていなかったからである.実機では冷炎はほとんど観察されないのは,主としてこの 「青炎支配域」 の着火であることに依るから,これはおおいに問題である.「青炎支配域」 についてはすぐ次に述べる.この欠落状態はその後も改善されているとは言えない.別途述べようと思うが,「青炎支配域」 をしっかり認識してこなかったことが往復ピストン式エンジンのシリンダで起こる着火の解釈を大きく歪めた.


低温度自着火の区分:着火形態三領域

 低温度自着火には 「負の温度係数域」 という特異な領域が存在するというのが大きな特徴であるが,それよりさらに温度が上がると 「青炎支配域」 と呼んでいる常識的な温度域になる.この 「青炎支配域」 では冷炎の発現は見られず,着火誘導期間中の持続的かつ緩慢な発熱は僅かである.一方,「負の温度係数域」より低温側は通常の正の活性化エネルギーを持つ 「冷炎支配域」であり,そこでは τ1 >> τ2 となっている.つまり,低温度自着火には 「冷炎支配域」A,「負の温度係数域」B,「青炎支配域」C の 三領域 がある (5).この様子を下図に示す.この三領域でそれぞれみかけの活性化エネルギーが違うので,本来なら着火遅れを表現しようとすると少なくとも 3 本の式が要る.「青炎支配域」C の活性化エネルギーの方が 「冷炎支配域」A のそれより大きい.

 下図では,「青炎支配域」C の 750 K あたりのデータがなく,線が切れている.この温度域では着火遅れの計測値が甚だしくばらつくので敢て描かないでおいた.そのばらつきは着火遅れが短くなる場合だけではなく,激しく長くなる傾向もあった.それを表示するとあたかも火山の噴火のようになる.



 ここでは n-Butane を燃料にした場合の着火形態三領域を示したが,この着火形態三領域の区分は低温自着火における本質的なものであって,特にこの燃料にこだわるものではない.また,これを単に Low-, Intermediate- and High-Temperature Regimes と "三温度域" として,温度だけに注目した表現があるが,それは充分なものとは言えない.

 どの領域の着火になるかは燃料の着火性と温度・圧力域,ならびに滞在時間に依存する.急速圧縮機やモータリング機関のような,ピストン圧縮で温度・圧力が持ち上げられる装置で得たデータは,ピストン圧縮に要する時間を無視してよいかどうかという疑義が常に伴う.「負の温度係数域」B と名指しても,圧縮過程で 「冷炎支配域」A に相当する温度・圧力域を,「青炎支配域」C と名指すときなら 「冷炎支配域」A と「負の温度係数域」B を経由してくるから,こうした区分の基準を設定する上でいささかの不確定性が無いとは言えない.燃料が分解・酸化されて行く速さとどの温度域にどの程度滞在したか / そこをどの程度素早く突き抜けてきたかで,この着火形態三領域への振り分けが決まるからである.衝撃波管自着火実験や素反応動力学反応計算は通過時間,滞在時間の効果を消して現象を単純化する手法であり,それらを併用することで,ピストン圧縮過程で問題を生じさせているかどうかを評価することができる.以下,この着火形態三領域を見分けるいくつか例を挙げる.

 1) n-Heptane や Diethyl Ether,Dimethyl Ether などの分解し易い燃料の着火では,比較的容易に冷炎発現を観察できるからその着火は 「冷炎支配域」A,「負の温度係数域」B 領域に属すると決めつけてよいかというと,そういうわけではなく,より低い温度域を素早く突き抜けて 「青炎支配域」C へ持ち込まれる場合には,冷炎発現を伴わない 「青炎支配域」C の着火になる.衝撃波管における n-Heptane の着火 を見れば「青炎支配域」C が n-Heptane の着火にもあることは明らかである.

 2) Livengood-Wu 積分 は 「負の温度係数域」B の後端から 「青炎支配域」C での着火でなければ成り立たないけれども,原著論文での積分は n-Heptane を燃料にした実験でなされていることに意を用いるべきである.他方,iso-Octane は分解しにくい燃料の代表であるが,混合気を 「冷炎支配域」A におくなら冷炎発現を観測することができるし,「負ないし零温度係数域」B も iso-Octane の着火にある.Livengood-Wu 積分とは,大枠だけを言うなら,「青炎支配域」C での滞在時間である.

 3) ディーゼル機関では圧縮過程が先にあって,900 K くらいの酸化雰囲気に燃料が曝らされるから,生じた混合気は直接 「負の温度係数域」B の後端から 「青炎支配域」C へ持ち込まれ,そこで着火が起こる.一方,HCCI などの予混合圧縮自着火ではたいていは冷炎発現とその縮退が明確な 「負の温度係数域」B 前半の着火になる.ディーゼル燃料は分解し易い側に属する.燃料,着火時温度・圧力域が同じでも,滞在時間が異なれば着火形態三領域区分での所属が変わる.

 4) 冷炎を生じない燃料,例えばメタン CH4 やベンゼン C6H6,ではそれらの着火は必ず 「青炎支配域」C の領域に属する.

 5) 圧力を上げると,着火遅れは短くなり,上図の S 字カーヴは下方へ動くが,それと同時に低温側にシフトする.

 6) ホルムアルデヒド HCHO を混合気に添加したときの着火遅れ伸縮への効果 (6, 7, 8) は,添加前なら「青炎支配域」C の着火であるものに対しては着火促進,「冷炎支配域」A の着火であるものに対しては着火抑制と,正反対の効果を与え,この区分が明確な閾となる.都市ガスのように,発熱量固定でも組成が一義的でない燃料に対してホルムアルデヒド添加は,エタンやプロパンなどを多く含む,着火遅れの長いものには短縮効果を,ブタン含有率の高い,着火遅れの短いものには遅延効果を与えて,着火遅れの差異幅を縮める (9, 10).これらの事項は,着火形態三領域の区分が低温自着火において着火挙動に差をもたらす本質的な指標 Criterion であることを示している.

 上の記述から誤解してはいけないのは,ディーゼル機関には冷炎支配域が全く関係しないというわけではなく,ディーゼルエンジンの冷間始動ではまさにその温度域になることである.冷炎支配域や負の温度係数域があるので始動ができる.もし着火の形態に三形態なく青炎支配域だけで,青炎支配域のアレニウスプロットを低温側に外挿したものが実際の着火遅れであったなら,低温始動時の着火遅れは一桁以上長くなり,クランキングだけでは始動が不可能であろう.


文献の所在

  1. Lifshitz, A., Scheller, K., Burcat, A. and Skinner, G. B.: Shock Tube Investigation of Ignition in Methane-Oxygen-Argon Mixtures, Combust. and Flame 16 (1971), 311-321.
  3. Scheuermeyer, M. and Steigerwald, H.: Die Messung des Zündverzuges verdichteter Kraftstoff-Luft-Gemische zur Untersuchung der Klopfneigung, Mot. Techn. Z. 5-89 (1939), 229-235, as cited in Lewis, B. and von Elbe, G., Combustion, Flames and Explosions of Gases, (1951).
  4. Rögener, H.: Entzündung von Kohlenwasserstoff-Luftgemischen durch Adiabatische Verdichtung, Z. Elektrochem. 53 (1949), 389, as cited in Lewis, B. and von Elbe, G., Combustion, Flames and Explosions of Gases, (1951).
  5. Ohta, Y., Hayashi A. K., Fujiwara T. and Takahashi, H.: n-Butane Ignition in a Wide Range of Temperature, Progress in Aeronautics and Astronautics, 113 (1988), 225-237, AIAA.
 6. Yamaya, Y., Furutani, M. and Ohta, Y.: Advanced/Retarded Criterion on Ignition of Fuel/Air Mixtures with Formaldehyde Doping, COMODIA 2004 (2004), 199-206.
 7. Kuwahara, K., Ando, H., Furutani, M. and Ohta, Y.: Impact of Formaldehyde Addition on Auto-Ignition in Engines, COMODIA 2004 (2004), 65-72.
 8. Yamaya, Y., Furutani, M. and Ohta, Y.: Premixed Compression Ignition of Formaldehyde-Doped Lean Butane/Air Mixtures in a Wide Range of Temperature, SAE Paper 2004-01-1977, (2004). SAE 2004 Transactions, Journal of Fuels and Lubricants, V113-4 (2005), 1327-1331.
 9. Isogai, T., Furutani, M. and Ohta, Y.: Ignition Characteristics Fluctuation of Fuel Gas and its Elimination for Natural Gas Engines, Schwankungen der Zündeigenschaften des Gaskraftstoffes und ihre Beseitigung für Erdgasmotoren, Die 3. Dessauer Gasmotoren-Konferenz (2003).
 10. Furutani, M., Isogai, T. and Ohta, Y.: Ignition Characteristics of Gaseous Fuels and Their Difference Elimination for SI and HCCI Gas Engines, SAE Paper 2003-01-1857, (2003). SAE 2003 Transaction, Journal of Fuels and Lubricants, V112-4 (2004), 1399-1407.


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